現役サイバー犯罪捜査官(警部)からのメッセージ
1 いつ採用されましたか?
平成11年にサイバー犯罪捜査官として採用されました。
2 担当業務を教えてください。
サイバー犯罪捜査課において、捜査担当補佐として業務をしており、主に不正アクセス行為の禁止等に関する法律違反事件を担当しています。
被害に遭った企業に赴き、被害状況や犯行手口等を明らかにするとともに、今後の被害防止のための助言等を行っています。
3 中途採用でサイバー犯罪捜査官を目指した理由は?
元々、大学を卒業する際に大阪府警察で、コンピュータ等の情報処理技術を活用した捜査をしたいと思い応募しましたが、その時は採用されず、民間企業でインターネット系のシステム開発を行っていました。
大阪府警察において、ハイテク犯罪捜査官を初めて募集するという報道を見て、再度、警察官になりたいと思い、応募しました。
4 印象に残った取扱いについて教えてください。
昔の話になりますが、インターネットオークションにおけるレーザーポインターの販売事件です。
レーザーポインターは目に入れば失明する恐れもある危険な物です。
関係する省庁、機関、インターネットのショッピングサイトやオークションサイトと連携して、未承認の危険性のあるレーザーポインターを販売していた業者を多数特定し、他府県とともに検挙した事件が印象に残っています。
5 サイバー犯罪捜査官のやり甲斐について感じるところを教えてください。
サイバー事案の多くは、インターネット等の情報システムに関する知識と犯罪捜査に関する知識の両方が必要です。
多くの警察官は、犯罪捜査に対する熱い気持ちは持ちつつも、私たちのように専門的に情報システム等の開発や取扱いをしているわけではありません。
サイバー事案では、捜査を担当する警察官とサイバー犯罪捜査官が連携して捜査をしなければならない事案がたくさんあります。
大阪府民や大阪の企業を犯罪被害から守るためには、この両者の連携が重要となります。
こういった中で、熱い気持ちで捜査を進める捜査員と自分自身の技術が連携して犯罪の検挙や犯罪手口の特定をできるというのがサイバー犯罪捜査官の仕事のやりがいと感じています。
また、犯罪には県境も国境もなく、大阪府警察の力だけでは、検挙できません。自分たちがした初動措置や各県、各国がした初動措置で収集した証拠が集まって初めて、インターネット上の犯罪組織の検挙に結び付きます。
大阪にいながらして、そういったグローバルの風を感じることができることも仕事のやりがいかなと感じています。
6 サイバー犯罪捜査官を目指している皆さんへメッセージをお願いします。
情報セキュリティやフォレンジックの経験だけでなく、各種システム開発、 携帯電話等のネットワーク設計、システムの保守管理、家電機器等の組み込み、デバイスの開発等、様々な経験もサイバー犯罪捜査に生かすことができます。
現在、大阪以外で情報処理等の業務をしており、大阪にU・I・Jターンを検討している方や大阪での転職を考えている方も、一度、大阪府警察でサイバー犯罪捜査官として勤務することを検討してみてください。