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Osaka Prefectural Police

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女性のみなさんへ(女性幹部からのメッセージ2)

警備総務課 村岡麻希子警部からのメッセージ

大阪府警察年頭視閲式の写真

1 はじめに

(1)警察官を志した理由

大学は教育学部で、大学三回生までは教員になるか、児童書の出版関係の仕事をしたいと考えていました。その時には自分の将来の選択肢に、警察官はありませんでした。
警察官を志すきっかけとなったのは、大学三回生の冬に阪神淡路大震災で被災したことです。神戸のアパートが崩壊して建物の下敷きになり、大ケガをして、入院を余儀なくされました。痛くて痛くて仕方なくて、「くっそ~、なんでこんな目にあわなあかんねん。」と腹がたち、地震なんかに負けてたまるか、何が相手かわからないけど、世の中の苦しいこととか悪いものとかと戦ってやる、と決心するようになり、身近なところで戦う職業と言えばおまわりさん、よし、警察官になろう、というなんだかわからない思考回路で、仕事の中身もよくわからないまま、この世界に飛び込みました。
地震がきっかけとはいえ、現場で警察官の活躍を見て感動したとかいう崇高なきっかけでもないのですが、今、あのとき自分の中に生まれた気持ちを大切にしてよかったな、と思っています。ふとしたインスピレーションに従うことで、一生をかけられる仕事と出会うこともあるんだと思います。

(2)「警察官」とは

警察官の仕事といえば、厳しいとか大変とか色々イメージがあると思います。しかし、警察官に限らずどんな仕事であっても、多かれ少なかれ大変な部分があります。体を使う、神経を使う、頭を使う、仕事によって大変なところはいろいろです。私自身は、警察官が特別ということはないと思っています。ただ、警察官の場合、人生の重心を仕事の方に寄せておかなければならない仕事のひとつであるとも思います。例えば、お休みの日に仕事をしなければならない、夜中に呼び出しがあるなど、プライベートの時間を削られることもあります。守らなければいけない秘密もたくさんありますし、お休みの日に体を鍛えたりということも必要になります。それでも、みんな、家庭を大事にして、趣味を楽しんだりしていますので安心してください。
私自身も、休日には夫と映画やゴルフを楽しんでいます。
ただ、いざというときに、個人よりも警察官という立場を優先させる覚悟だけは持っておかなければならないと思っています。

村岡麻希子警部の写真

2 警備部の業務(警備警察)について

警察関係のドラマとか小説で警備警察が取り上げられると、なんだか秘密めいた扱いをされていますが、SPとか一部の部署を除いて地味でわかりにくい仕事が多いというのが本当のところかもしれません。
例えばISIL(いわゆる「イスラム国」)のテロなど、海外では日本人が犠牲になる痛ましい事件が何度も発生しています。こうしたテロが日本で起こらないように、様々な対策をとるのも警備警察の仕事です。また平成28年5月、伊勢志摩サミットが開催され、オバマ大統領をはじめたくさんの外国の要人が来日しました。首脳会議が滞りなく開催されるように、会議場、空港等の警戒をしたり、要人の警護をするのも警備警察の仕事です。このほかに、大きな災害が発生したときの救出救助や行方不明者の捜索といった災害警備や、祭礼やイベント等の雑踏警備も、警備警察が主に担当しています。

災害警備活動の写真

3 これまでの経験から

警察学校で研修を受けたのち、交番の警察官として警察人生をスタートさせました。そして、警察官になって4年目に淀川警察署というところではじめて警備警察の仕事に就きました。この警察署の大きな仕事のひとつが、今も8月初めに開催される「なにわ淀川花火大会」の警備です。淀川の河川敷を見物客が埋め尽くすこの大花火大会。お客さんに花火を楽しんで満足して帰ってもらうために、イベント会社や警備会社の人だけではなく、たくさんの警察官が警備をしています。河川敷に通じる階段から人が落ちないように通行を規制をして人の量を調節したり、人の流れをうまく作ってストレスなく駅まで誘導したりします。府民の皆さんの幸せを提供するための裏方としての警備実施という仕事の醍醐味にはじめて触れたのがこのときです。
そして、平成23年3月11日、東日本大震災が発生しました。この震災では、大阪府警からも多くの警察官が現地に派遣され、いろいろな活動に取り組みました。震災発生から半年後、こうした活動を通じて得た教訓を、これからの警察の災害対策に生かすためのプロジェクトチームが立ち上がり、私はこのチームに加わることができたのです。
阪神淡路大震災のとき、私は何もできなくて、ベッドの上で悪態をつくことしかできませんでしたが、今は警察官です。直接東北の現地にいって、救助活動に加わることはできませんでしたが、現場での人命救助以外にもできることはたくさんあります。大阪で大規模な地震が発生した場合、警察がどう動くかといったシミュレーションをつくったり、警察の災害救助部隊の訓練を計画したり、地域の方に津波の恐ろしさを伝え、どうすれば助かるかといったお話をさせていただくなど、いろいろなことをやらせていただきました。10数年を経て、ようやくあのとき負けたものと戦える力を得た、そんなふうに思いました。

4 終わりに

警察官になって具体的にこういう仕事をしたいと思っている方、漠然と人の役に立ちたいと思っている方、いろいろだと思います。確かに、警察組織の中で女性は、まだまだ少数派です。でも、努力をして、夢を忘れなければ、男女の区別なく、やりたいことをやらせてくれる、そんな組織でもあります。
仕事を選ぶとき、みんなが自分の希望の職業につけるわけではありません。しかし、せっかくですから、この仕事を選んでよかったと思ってほしいです。警察官になって後悔は絶対にさせません、なんて言えませんが、私は、警察官になって正解だったかなあ、と思っています。
一緒にお仕事できる日がくることを、楽しみにお待ちしています。