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領事機関に対する通報等の運用について

領事機関に対する通報等の運用について
平成22年2月15日
例規(国捜・留)第3号
 

最近改正
平成30年3月16日例規(検調)第28号


この度、「領事機関に対する通報等の運用について」(昭和63年1月25日例規(捜共・留)第1号)の全部を改正し、領事機関に対する通報等の運用については、平成22年2月16日から次によることとしたので、誤りのないようにされたい。
第1 趣旨
この通達は、領事関係に関するウィーン条約(昭和58年条約第14号)その他領事関係に関する個別条約に基づき実施する外国人を拘禁した場合及び外国人の死亡を認知した場合における領事機関に対する通報並びに領事官の訪問通信権に関し必要な事項を定めるものとする。
第2 領事機関に対する外国人の拘禁の通報
1 国籍の確認
逮捕により外国人を拘禁した場合は、当該逮捕に係る事件の捜査主任官又は取扱警察官(以下「捜査主任官等」という。)は、旅券、在留カード、特別永住者証明書等により国籍の確認を行うこと。
なお、在留カード又は特別永住者証明書の国籍欄の記載が「朝鮮」である者の中には、大韓民国の国籍を有する者も含まれていることから、旅券、国籍証明書、供述等によりその者の国籍を確認すること。
2 通報意思の確認等
捜査主任官等は、弁解を録取する際は、次により措置すること。
(1) 被拘禁者がアゼルバイジャン共和国人等、中国人又は北朝鮮の国籍を有する者若しくは台湾の旅券等を所持している者以外のものである場合
ア 拘禁した外国人(以下「被拘禁者」という。)がアゼルバイジャン共和国、アルメニア共和国、ウクライナ、ウズベキスタン共和国、カザフスタン共和国、キルギス共和国、ジョージア、タジキスタン共和国、トルクメニスタン、ベラルーシ共和国、モルドバ共和国、ロシア連邦、ハンガリー、ポーランド共和国若しくはグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国(以下「イギリス」という。)の国籍を有する者(以下「アゼルバイジャン共和国人等」という。)、中華人民共和国(香港特別行政区及びマカオ特別行政区を含む。以下「中国」という。)の国籍を有する者(自らが中国の国籍を有する者であると主張する者及び在留カード又は特別永住者証明書の国籍欄の記載が「中国」となっている者で、台湾の旅券等を所持している者かどうか不明のものを含む。以下「中国人」という。)又は北朝鮮の国籍を有する者若しくは台湾の旅券等を所持している者以外の者である場合は、当該被拘禁者に対し、当該被拘禁者が国籍を有する国の領事機関に通報を求める権利及び我が国の法令の範囲内において領事官に信書を発する権利を有していることを領事官への通報要請確認書(別記様式第1号)又は英語以外の対訳に係る領事官への通報要請確認書(国際捜査課長が別途通知する様式)(以下これらを「通報要請書」という。)により告知し、その意思があるかどうかについて確認すること。
なお、通報要請書は、捜査主任官等が必要事項を記入の上、署名押印し、被拘禁者に通報要請の有無等を記入させた上、署名させること。
イ 前記アの規定により通報意思の確認を行った結果、被拘禁者が通報を要請しなかった場合は、通報要請書の写しを留置主任官、留置主任官代理又は留置副主任官(以下「留置主任官等」という。)に交付すること。
(2) 被拘禁者が中国人である場合
被拘禁者が中国人である場合は、当該被拘禁者に対し、領事関係に関する日本国と中華人民共和国との間の協定(平成22年条約第1号)第8条1(b)から(d)までに規定されている、拘禁された事実等に関し、拘禁の日から起算して4日までの間に領事機関へ通報される権利、領事官と面談・文通し、弁護人のあっせんを依頼することができる権利、領事官の選択する言語で面談できる権利、自己が反対する意思を書面により示せば、領事官との面談・文通等を拒否できる権利及び領事機関との間で通信できる権利を有していることについて、領事官との面談希望確認書(別記様式第2号。以下「面談希望確認書」という。)により告知し、当該被拘禁者が当該領事官と面談を希望するか否かについて確認すること。
なお、面談希望確認書は、捜査主任官等が必要事項を記入した上、署名押印し、被拘禁者に面談希望の有無を記入させた上、署名させ、その写しを留置主任官等に交付すること。
3 通報要領
捜査主任官等は、被拘禁者が、前記2の(1)のアの規定により通報意思の確認を行った結果、通報を要請した場合又は中国人若しくはアゼルバイジャン共和国人等である場合は、次により当該被拘禁者が国籍を有する国の領事機関(被拘禁者が2以上の国籍を有する場合は当該被拘禁者が希望する1又は複数の国の領事機関、無国籍であるが外国政府の庇(ひ)護の下に発給された旅券等を所持している場合は当該旅券等の発給国の領事機関)に対して遅滞なく通報すること。
なお、被拘禁者が北朝鮮の国籍を有する者又は台湾の旅券等を所持している者である場合は、通報することを要しない。
(1) 被拘禁者が中国人以外の外国人の場合
被拘禁者の人定事項、拘禁日時及び場所並びに拘禁理由の概要を拘禁場所を管轄する領事機関に対して電話等により通報し、アゼルバイジャン共和国人等及び中国人以外の外国人にあっては当該被拘禁者に係る通報要請書の下部の通報控に必要事項を記入し、アゼルバイジャン共和国人等にあっては通報要請書の下部の通報控を作成し、当該通報要請書の写しを留置主任官等に交付すること。
(2) 被拘禁者が中国人の場合
遅くとも拘禁の日から起算して4日までの間に、領事通報表(別記様式第3号)により、当該拘禁の事実及び理由を拘禁場所を管轄する領事機関に対してファクシミリにより通報し、当該領事通報表の写しを留置主任官等に交付すること。
4 意思変更した場合の通報要領
(1) 前記2の(1)のアの規定により通報意思の確認を行った際に、通報を要請しなかった被拘禁者が留置後に意思を変更して通報を要請したときは、次により措置すること。
ア 捜査主任官等が通報の要請を受けた場合は、直ちにその旨を留置主任官等に連絡すること。
イ 留置主任官等は、前記アの規定により捜査主任官等から連絡を受けたとき、又は被拘禁者から通報の要請を受けたときは、領事官への通報要請確認書(意思変更)(別記様式第4号)又は英語以外の対訳に係る領事官への通報要請確認書(国際捜査課長が別途通知する様式)(以下これらを「通報意思変更書」という。)に留置主任官等が必要事項を記入した上、署名押印し、当該被拘禁者に国名を記入させた上、署名させ、前記3の(1)に準じて領事機関に対して遅滞なく通報するとともに、当該通報意思変更書の下部の通報控を記入し、当該通報意思変更書の写し2部を捜査主任官等に交付すること。
ウ 留置主任官等は、身柄送致後に前記イの措置を執ったときは、起訴前にあっては検察官に、起訴後にあっては裁判所にその旨を電話等により通知するとともに、通知控(別記様式第5号)を作成し、その写しを捜査主任官等に交付すること。
(2) 留置主任官等は、前記2の(2)の規定により面談の意思を確認した被拘禁者が留置後にその意思を変更した場合は、次により措置すること。
ア 面談を要請しなかった被拘禁者が留置後に面談を要請したときは、領事官との面談希望確認書(意思変更)(別記様式第6号)に留置主任官等が必要事項を記入した上、署名押印し、当該被拘禁者に署名させ、留置場所を管轄する領事機関に対して電話等により遅滞なく通報するとともに、当該領事官との面談希望確認書(意思変更)に必要事項を記入し、その写しを捜査主任官等に交付すること。
イ 面談を要請した被拘禁者が留置後に面談を要請しないと申し出たときは、面談希望確認書に留置主任官等が必要事項を記入した上、署名押印し、当該被拘禁者に面談希望の有無を記入させた上、署名させ、その写しを捜査主任官等に交付すること。
5 検察官等が通報した場合の留置主任官等の措置
留置主任官等は、検察官又は裁判所から領事機関に通報を行った旨の通知を受けた場合は、通知受理票(別記様式第7号)を作成し、その写しを捜査主任官等に交付すること。
6 他の捜査機関の拘束に係る通報措置
留置主任官等は、検察庁、海上保安庁等の捜査機関(以下「他の捜査機関」という。)が拘束した外国人を留置する場合は、次により措置すること。
(1) 他の捜査機関が領事機関に対して拘禁した旨の通報を行ったかどうかについて確認し、その結果を被留置者名簿(大阪府警察留置業務取扱規程(平成24年訓令第13号)別記様式第1号)の外国人欄に記載すること。この場合において、既に通報が行われているときは、通知受理票を作成し、その写しを捜査主任官等に交付すること。
(2) 拘禁開始時に通報を要請していなかった被拘禁者が拘禁中に意思を変更して、留置主任官等又は他の捜査機関に対して通報を要請した場合は、それぞれ次によること。
ア 留置主任官等に対して要請した場合は、遅滞なく前記4の(1)のイ又は(2)のアに準じて措置するとともに、その旨を当該被拘禁者の身柄拘束について権限を有する他の捜査機関に通知し、通知控を作成し、その写しを捜査主任官等に交付すること。
イ 他の捜査機関に対して要請し、当該他の捜査機関から領事機関に対する通報を行った旨の通知があった場合は、通知受理票を作成し、その写しを捜査主任官等に交付すること。
7 通報要請書等の添付
(1) 捜査主任官等は、通報要請書、領事通報表及び面談希望確認書並びに留置主任官等から交付を受けた通報意思変更書、領事官との面談希望確認書(意思変更)、通知控及び通知受理票の写しを被拘禁者の事件指揮簿(大阪府警察捜査指揮規程(昭和32年訓令第15号)別記様式第1号又は別記様式第2号)に添付するとともに、当該通報要請書及び領事通報表の写しを作成した上、留置主任官等から交付を受けた通報意思変更書の写しとともに送致(付)する際の送致(付)書に添付すること。
(2) 留置主任官等は、通報意思変更書、領事官との面談希望確認書(意思変更)、通知控及び通知受理票並びに捜査主任官等から交付を受けた通報要請書、領事通報表及び面談希望確認書の写しを被留置者名簿に添付すること。
8 留意事項
(1) 執務時間外等の理由で領事機関に通報できなかった場合は、執務の開始を待って、速やかに通報すること。
(2) 領事機関に対する通報が遅れた場合は、捜査主任官等にあっては通報要請書の下部の通報控の余白に、留置主任官等にあっては通報意思変更書の下部の通報控の余白にその理由を記録しておくこと。
第3 領事機関に対する外国人の死亡の通報
捜査主任官等は、外国人の死亡を認知したときは、次により当該外国人が国籍を有する国の領事機関に対してその旨を通報すること。
1 通報対象
領事機関に対する通報の対象は、犯罪に起因する死体(交通事故死を含む。)、変死体及び被拘禁者の死体とする。
2 通報要領
死亡した外国人の身元、死亡の日時及び場所並びに死亡原因を電話等により通報すること。
なお、中国人の死亡を認知した場合には、領事通報表の下部の死亡通知を作成した上、中国の領事機関に通報すること。
3 通報後の措置
外国人の死亡について領事機関に通報したときは、重要事件即報簿用紙(大阪府警察捜査関係書類簿冊処理規程(昭和32年訓令第16号)別記様式第5号)若しくは犯罪事件受理簿(交通事故関係)(「犯罪事件受理簿等の様式について」(平成25年7月30日警察庁丙刑企発第51号)別記様式第2号又は別記様式第3号)の備考欄若しくは余白又は検視・死体調査報告書(大阪府警察死体措置要綱(平成27年3月13日例規(刑総)第19号)別記様式第1号)に記録しておくこと。
第4 領事官の訪問通信権
1 面談等
(1) 領事官と被拘禁者との面談及び信書の発受については、捜査上又は留置施設の保安上の支障がない限り、認めること。
(2) 領事官が被拘禁者と面談するため訪問してきた場合は、面談を行う領事官の身分を確認の上、次により措置すること。
ア 被拘禁者が中国人以外の外国人の場合
被拘禁者に面談の意思を確認し、面談を希望しない場合は、領事官との面談に関する意思確認書(別記様式第8号。以下「面談意思確認書」という。)により、その旨を明らかにしておくこと。
なお、当該領事官から面談意思確認書の写しの交付を求められたときは、応ずること。
イ 被拘禁者が中国人である場合
必要に応じて、領事官に面談希望確認書を提示することにとどめ、交付はしないこと。
(3) 面談に当たっては、次の条件を付することができる。
ア 面談の日時及び場所を指定すること。
イ 警察官及び通訳人を立ち会わせること。ただし、被拘禁者がアメリカ合衆国又はイギリスの国籍を有する者である場合は、立会人を置くことができない。
2 留意事項
(1) 刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第81条の規定により接見又は信書の発受を禁止されている場合は、裁判所による接見又は信書の発受の禁止の解除の決定等を待って面談を許可すること。
(2) アゼルバイジャン共和国人等(イギリスの国籍を有する者を除く。)を拘禁した場合にあっては、拘禁の日から起算して4日までの間に1回目の面談又は信書の発受を行わせなければならないので注意すること。
第5 報告
事件・事故に関し、外国人を拘禁したとき、又は外国人の死亡を認知したときは、領事機関への通報の有無にかかわらず、速やかにその概要を刑事部長(国際捜査課)宛てに電話報告すること。