本文へ

Osaka Prefectural Police

現在の位置

術科訓練安全管理要綱の制定について

昭和49年10月18日

例規(教)第47号

最近改正
平成28年6月3日例規(教)第70号

術科訓練に伴う受傷事故原因の除去、訓練方法の改善及び保健管理の適正を期するとともに、術科訓練の安全かつ積極的な推進を図るため、別記のとおり術科訓練安全管理要綱を定めたので、効果的な運用に配意されたい。

別記

術科訓練安全管理要綱

第1 趣旨

この要綱は、術科訓練に伴う受傷事故の防止及び保健管理に関し、必要な事項を定めるものとする。

第2 適用の範囲

この要綱は、柔道、剣道、逮捕術、救急法、拳銃操法その他の術科の訓練、試合、検定及び審査に関して適用する。

第3 安全管理措置基準

術科訓練の安全管理については、安全管理措置基準(別添)の定めるところによる。

第4 術科安全管理部会の設置

安全かつ効果的な術科訓練の推進を図るため、精強な第一線警察構築検討委員会運営要綱(平成17年7月1日例規(務)第82号)第5に基づく専門部会として、本部に術科安全管理部会を置く。

第5 術科安全管理部会の任務

術科安全管理部会は、次に掲げる事項について調査及び研究(大阪府警察体力検定等実施要綱(平成15年8月26日例規(教)第51号)第4に定める大阪府警察体力検定等委員会がその任務として行うものを除く。)を行う。
(1) 安全管理の基本となるべき対策の樹立に関すること。
(2) 安全管理の措置基準に関すること。
(3) 受傷事故の調査、統計、分析及び再発防止に関すること。
(4) 安全教育の実施計画の策定に関すること。
(5) 安全意識の高揚に関すること。
(6) その他安全かつ効果的な術科訓練を推進するための必要な措置に関すること。

第6 術科安全管理者の設置

1 術科訓練の安全管理を推進するため、所属に術科安全管理者を置く。
2 術科安全管理者は、本部にあっては次長又は副隊長を、警察学校にあっては副校長を、方面本部にあっては副方面本部長を、組織犯罪対策本部にあっては組織犯罪対策本部副本部長を、犯罪抑止戦略本部にあっては犯罪抑止戦略本部副本部長を、警察署にあっては副署長又は次長をもって充てる。ただし、拳銃操法訓練においては、警察官等けん銃使用及び取扱い規範(昭和37年国公委規則第7号)第16条に規定する訓練責任者をもって充てる。

第7 術科安全管理者の任務

術科安全管理者の任務は、次のとおりとする。
(1) 安全管理措置基準の実施及びこれの指導監督に関すること。
(2) 安全管理の実態は握に関すること。
(3) 受傷事故の調査、検討及び報告に関すること。
(4) 安全教育の実施及び安全意識の高揚に関すること。
(5) その他安全かつ積極的な術科訓練を推進するための必要な措置に関すること。

第8 受傷事故発生時の報告

所属長は、術科訓練に伴う受傷事故(公務災害認定請求事故)が発生したときは、受傷程度の軽重にかかわらず、その都度、術科訓練受傷事故発生報告書(別記様式)により、警務部長(教養課)宛てに報告しなければならない。

第9 術科教養指導者及び訓練員

1 術科教養指導者は、安全管理措置基準を遵守するとともに、術科安全管理者の指示に従い、術科訓練の指導に当たらなければならない。
2 訓練員は、術科訓練に関する諸規定を遵守するとともに、術科教養指導者の指示に従い、意欲的かつ真剣な態度で統制のある行動のもとに訓練を受けなければならない。

別添

安全管理措置基準

第1 共通的事項

項目

内容

1 人的管理

(1) 訓練に先だつて、訓練の趣旨及び内容を十分理解させ、意欲的な訓練態度と真剣な心構えを醸成しておくこと。
(2) 訓練員の健康状態、術科技能、体力、段級位、性格、訓練参加度数、既往症等をは握して、訓練上欠陥のある者の発見に努めること。特に必要があると認めるときは、事前に医師の健康診断を受けさせること。
(3) 訓練員の年齢、体力、技能等によつて無理のない計画をたて、十分な準備のもとに行わせること。
(4) 訓練に際しては、訓練員の数、訓練場所、訓練の内容等を考慮し適宜、班を編成して、統制のある訓練を行わせること。
(5) 各種訓練に際しては、無理な方法や危険なわざ等は行わせないこと。
(6) 訓練中の指導・監視体制を確立し、常に訓練員の動静に注意し、異状を認めたときは、訓練を中止させるなどの措置をとること。
(7) 救急措置の研究及び体制の整備をしておくこと。
(8) 技能に応じて、かつ、基本に忠実な訓練を行わせること。
(9) 平素、訓練から遠ざかつていた者が訓練に参加したときは、急激な訓練を行わせないこと。
(10) 高齢者には、体力の過信をさせないこと。

2 物的管理

(1) 射撃場、道場、体育館等の床面、畳、腰板部、照明、採光、通風、換気、防湿、消火設備等を入念に点検し、破損箇所等を発見したときは、早急に補修・整備の措置又は手続をとること。
(2) 射撃場には、衛生管理対策に必要な保護具、装備品等を整備すること。
(3) 用具、防具、保護具等は、定期に又は使用前後に必ず点検し、異状を認めたときは使用を禁止し、又は補修した後に使用させること。
(4) 道場又は体育館内には、訓練に不用な物品をできるだけ置かないようにすること。
(5) 服装、用具、防具等は、それぞれ訓練員の体格に合つた物を着装又は使用させること。

第2 科目別事項

1 拳銃操法訓練

ア 訓練員には、いかなる場合においても、拳銃の安全規則(警察官等けん銃使用及び取扱い規範第14条)、拳銃

(1) 射撃場において実包射撃訓練を行う場合

訓練要綱(昭和59年8月3日警察庁丙教発第119号)、射撃場管理規則等を厳守させるとともに、指揮官又は指導者の指示は、確実に実行させること。
イ 実包による射撃訓練を行うときは、聴覚障害予防及び眼球等の保護のため、必ず聴力保護用具及び保護眼鏡を使用し、受傷事故の防止に努めること。
ウ 鉛粉じんによる健康被害の防止を図るため、保護具の装着、手洗い及びうがいを確実に行う等、衛生管理対策を徹底すること。
エ 射撃場内においては、飲食及び喫煙をさせないこと。また、射撃場外においても、射撃訓練終了後の手洗い及びうがいをするまでは、飲食及び喫煙をさせないこと。
オ 訓練弾の配付、空薬きょうの回収等の作業においては、ゴム手袋を着用させること。
カ 射撃場から外に出る際には、足拭きマット等を使用させ、足部に付着した鉛粉じんを除去させること。
キ 鉛粉じんの曝(ばく)露を軽減するため、射撃場の環境実態を踏まえ、射撃場勤務者及び大阪府警察術科特別訓練員(拳銃)については、在場時間の抑制に配意すること。
ク 射撃訓練中における衣類等への鉛の付着を防止するため、射撃場勤務者及び大阪府警察術科特別訓練員(拳銃)にジャンパー等の訓練衣等を着装させるとともに訓練衣とその他の衣類等を隔離して保管させること。
ケ 妊娠中の者、妊娠している可能性がある者、出産後1年を経過していない者及び授乳期間中の者については、訓練させないこと。

(2) 拳銃操法訓練を実施する場合

拳銃訓練実施要領(平成13年12月17日例規(教)第243号)第10に規定する拳銃訓練実施上の安全管理措置基準を遵守すること。

2 逮捕術訓練

(1) 訓練員には、基本的な準備運動及び「受身」、「体さばき」、「足さばき」又は「縄とび」、「腕立て伏せ」等により、敏捷(しよう)性、柔軟性、持久性等を習得するように反復して訓練を行わせること。
(2) 訓練員には、「前突き」及び「前けり」の訓練を反復して、攻撃・防御の基本動作を習熟させること。
(3) 多数の訓練員を同時に訓練させるときは、訓練の種目又は内容により必要な距離及び間隔を十分とらせること。
(4) 訓練員に防具着用の訓練を行わせるときは、逮捕術用の靴を着用させること。
(5) 「打突」、「逆わざ」等の訓練を行わせるときは、指導者に打突の部位、方法及びその程度並びに逆わざの施術の方法、その効果の判断等について模範を示させ、その限界を理解させたうえで訓練を行わせること(防具を着用しない訓練のときは、「警棒打ち」、「突き」及び「当て身」は、相手の身体に触れることのないように動作を止めること。)。

3 柔道訓練

(1) 初心者等には、受身訓練の必要性と安全かつ上手な投げ方を認識させるため、指導者が模範を示してから相互の訓練を行わせること。
(2) 道場の面積と訓練人員を勘案して、必要により「立ちわざ」と「寝わざ」の訓練を区分して行わせること。
(3) 初心者等には、柔道の基本わざである「作り(崩(くず)し)」、「掛(かけ)」の原理を理解させ、正しいわざのかけ方及び防ぎ方に習熟する訓練を行わせること。
(4) 初心者等には、指導者が「まき込み」等危険なわざの模範を示して、その危険性を正しく理解させ、努めてこれらのわざをかけないように訓練を行わせること。
(5) 変則な姿勢又は強引な組み方をする者に対しては、直ちに矯正させ、正しい姿勢による円滑な体の運用及び柔軟性に富んだ力の用法による訓練を行わせること。
(6) 訓練員には、頸部の受傷防止のため、首部の準備運動を十分行わせるとともに、正しく「受身」をする訓練を行わせること。
(7) 冬期の訓練は、訓練員に準備運動を入念に行わせるとともに、「寝わざ」によつて、身体を柔かくしてから「立ちわざ」を行わせること。
(8) 高年齢者には、年齢及び体力に応じた訓練内容及び訓練量とし、無理な訓練又は試合は行わせないこと。

4 剣道訓練

(1) 訓練員には、剣道具を正しく着装させ、定められた部位を正確に打突するように訓練を行わせること。
(2) 初心者等には、基本動作(構え、足さばき)を習熟するように訓練を行わせること。
(3) 竹刀のひび割れ等不完全な竹刀は、使用させないこと。
(4) アキレス腱(けん)受傷防止のため、下半身の準備運動を入念に行わせること。特に訓練の長期中断、心身の疲労、体重が増加したときなどに傷害が発生することが多いので、このようなときは「素振り」、「剣道形」等の訓練にとどめ、急激な訓練は行わないこと。
(5) 耳の受傷防止のため、手ぬぐい等で頭部を覆うときに、耳に当てないようにさせるとともに、面ぶとんと耳との間に余裕を持たせた着装の方法を行わせること。
(6) ひじの打撲傷防止のため、できればサポーター、ひじ当て等を使用させること。
(7) 面具、小手具等の消毒を励行させること。

5 体育訓練
(1) 体育訓練(運動競技)

ア 訓練員には、体育及び競技の種目ごとの基本的な練習法をマスターするように訓練を行わせること。
イ 訓練員には、体育及び競技の種目ごとのルールによる訓練を行わせること。
ウ 訓練員には、器具の正しい用法の訓練を行わせること。
エ グラウンドの小石等の危険物は、常に除去するようにするほか、その整備に留意すること。

(2) 走訓練

ア 訓練前の措置
(ア) 訓練に際しては、体調について自己申告を行わせるとともに、訓練員の動静や表情を観察するなど、体調に配意すること。
(イ) 体調の異状を訴える者及び異状が認められる者に対しては、訓練内容を考慮し、又は中止する等の措置をとること。
(ウ) トレーニングの漸進性の原則に従つて、段階的に運動負荷をかけるようにすること。特に、夏期においては、暑さに慣れさせるため段階的な訓練の実施に配意すること。
(エ) 訓練は、原則として道路以外の場所で行うこと。やむを得ず道路で行うときは、交通量が少なく、かつ、安全な所で行うように努めること。
(オ) 競技会等を行うときは、努めて医師、看護師等を会場に配置すること。
(カ) ウォーミング・アップを十分行わせること。
イ 訓練中の措置
(ア) 訓練のコースが長距離に及ぶときは、救護車を配置するとともに、訓練員相互による安全確認等により異状者の早期発見に努めること。
(イ) 訓練員の疲労の程度等に応じ、運動と休息のバランスを図ること。
ウ 訓練後の措置
(ア) クーリング・ダウンを十分に行わせること。
(イ) 訓練終了時には、人員点呼及び体調点検を行うこと。
(ウ) 疲労回復の方法、健康管理等について指導するとともに、そのための自己管理を徹底させること。

(3) 水泳訓練

ア 訓練前の措置
(ア) 海浜、河川等で訓練を行わせるときは、過去の訓練にかかわらず、新たな角度から指導者が訓練現場の実地踏査を行い、訓練方法、輸送経路・方法等を検討して計画を策定するとともに、事前に訓練者にその内容を周知徹底させておくこと。
(イ) 努めて水上安全法による指導員、救助員(日本赤十字社認定)、救急法上級者等(以下「指導員等」という。)により指導監視体制をとり、訓練員の数、訓練経験・技能、訓練時間・場所、訓練内容等に応じて、常に訓練員を掌握できるように指導、監視、救護等の任務分担を定めておくこと。
(ウ) 不特定多数人がいる場所で訓練するときは、訓練員を特定するため、同色の帽子又は技能の程度に応じて識別できる帽子を着用させるなどの方法をとること。
(エ) 救命・救急用具等の点検は、訓練現場で行うことなく、必ず事前に準備点検しておくとともに、事故が発生したときは、直ちに使用できる状態にしておくこと。
(オ) 事前に訓練員の健康状態を点検させ、必要に応じて健康診断を受けさせるなどの方法によつて、訓練不適格者の発見に努めること。
(カ) 訓練員には、水面及び水中の温度を調査させておくこと(水温が18度以下の場合は、特別の訓練経験者以外は、訓練を行わせないこと。)。
イ 訓練中の措置
(ア) まず、指導員等に入水方法の模範を示させ、訓練上の安全を確認したうえで現場の条件に応じた具体的な注意を行わせること。
(イ) 海浜、河川等で集団による水泳訓練を行わせるときは、気象条件等を考慮して、訓練の安全圏を物理的に標示するとともに、一定の指導員等を陸上、水面(深い方)、舟艇等に位置させ、スキのない監視網の中に訓練員を入れて訓練を行わせること。
(ウ) 訓練員には、必ずバディーシステムによる相互の安全確認を行わせること(1人の指導員等の受け持つバディー数は、5~6組が適当である。)。
(エ) 訓練員で水上安全法による入水方法で、段階的に入水させ、その都度訓練員の体調の点検を行わせること。
(オ) 訓練員の安全確認及び疲労の軽減のため、一定時間(5分ないし10分)ごとに休憩させて、必ず人員点呼をとらせること。
ウ 訓練終了後の措置
(ア) 訓練終了直後に人員点呼を行わせること。
(イ) 身体の清潔保持及び疾病等の予防のため、必ずシャワー、入浴等を励行させること。
(ウ) 訓練終了後の単独水泳による事故の防止のため、衣服を着た後に、最後の点呼を行わせること。
(エ) 訓練終了後、訓練者の健康状態を点検し、異状を訴える者があれば、必ず医師の診断を受けさせること。
(オ) 訓練終了後は、解放感からとかく気がゆるみがちとなるので、規律の保持に努めさせること。

(4) 登山訓練

ア 訓練前の措置
(ア) あらかじめ指導者に訓練コース等の実地踏査を行わせ、山岳の状況に応じたコース、日程、装備、食料等の訓練計画を策定するとともに、事前に訓練員にその内容を周知徹底しておくこと。
(イ) 登山技術、気象判断等の基礎的な知識技術については、あらかじめ机上訓練等による教養を行うこと。
(ウ) 装備品は、常に点検整備し、適正な管理を行うとともに、その着脱等取扱要領については、機会あるごとに訓練を行わせること。
(エ) 通信連絡体制を確立させておくこと。
(オ) 不測の事故を考慮し、救急薬品の携行、救急措置等に留意するとともに、緊急避難ルートについても検討させておくこと。
イ 訓練中の措置
(ア) 肉体的疲労及び緊張による精神的疲労が大きいので、適宜休憩させ、その都度人員の点呼を励行させること。
(イ) 岩場、雪渓登はん、その他危険地帯の通過等については、あらかじめ安全措置を講じ、確認したうえで実施させること。
(ウ) 気象条件の変化に最大の注意を払い、低気圧等の接近の際は、登山を中止させること。また、天候の激変や危険が予想されるときは、行動の中止、退避、脱出等冷静な判断と勇気のある行動をとるように指導させておくこと。
(エ) 訓練中に道に迷つたと判断したときは、無謀な行動は避け、できる限りその場から離れずに、冷静な判断のもとに身の安全を確保して救出を待つように指導させておくこと。また、なだれ、落石、落雷等の起こる場所を避けて待避するように指導させておくこと。
ウ 訓練後の措置
(ア) 訓練記録を作成し、次の訓練資料の参考に資すること。
(イ) 使用装備品の手入れ、補修を完全に行わせること。