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Osaka Prefectural Police

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障害者虐待事案に係る対応要領

障害者虐待事案に係る対応要領の制定について

平成26年12月19日
例規(生総・府民・地総・刑総)第123号

(最近改正平成27年3月27日例規(生総・少)第38号抄)

この度、別記のとおり障害者虐待事案に係る対応要領を制定し、平成27年1月1日から実施することとしたので、適切な運用に努められたい。

別記

障害者虐待事案に係る対応要領

第1趣旨

この要領は、障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律(平成23年法律第79号。以下「法」という。)の規定に基づき、障害者虐待に係る事案(以下「障害者虐待事案」という。)への対応に関し必要な事項を定めるものとする。

第2定義

この要領の用語の意義は、法の定めるところによる。

第3認知時における適切な対応

1通報対象となる事案

法第7条第1項、法第16条第1項又は法第22条第1項の規定による市区町村への通報(以下「通報」という。)の対象は、原則として、各種警察活動に際し認知した全ての障害者虐待事案のうち、児童虐待(児童虐待の防止等に関する法律(平成12年法律第82号)第2条に規定する児童虐待をいう。)に係る事案又は高齢者虐待(高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(平成17年法律第124号)第2条第3項に規定する高齢者虐待をいう。)に係る事案に該当するもの以外の事案とする。
なお、次に掲げる場合であっても通報の対象となるので、留意すること。

(1)
虐待を受けたと思われる者が障害者に該当するかどうかの判断ができない場合
法第2条第1項に規定する障害者とは、障害者基本法(昭和45年法律第84号)第2条第1号に規定する障害者(身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。)とされているところ、警察署における取扱いにおいて、虐待を受けたと思われる者が同号に規定する継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるかどうかを判断することは困難であるため、当該者の外見又は言動、関係者からの聴取内容等から、警察官が同号に規定する心身の機能の障害がある者であると判断した場合は、通報の対象とすること。

なお、当該者が自分自身を障害者であると認識している必要はない。

(2)
虐待行為があったことの明確な裏付けができない場合
虐待行為を裏付ける具体的な証拠がない場合であっても、虐待を受けたと思われる障害者又は関係者の申出内容等から障害者虐待が行われた可能性があると判断したときは、通報の対象とすること。
なお、障害の特性から、虐待を受けたと思われる障害者が虐待を受けていると認識できない場合があるので、当該障害者からの事情聴取の結果のみにより障害者虐待を受けていないと判断することのないよう留意すること。

(3)
加害者が養護者等に該当するかどうか判明しない場合
加害者が虐待を受けた障害者の養護者、障害者福祉施設従事者等又は使用者(以下「養護者等」という。)に該当するかどうか判明しない場合であっても、当該障害者又は関係者の申出内容等から、当該養護者等に該当する可能性があると判断したときは、通報の対象とすること。

(4)
障害に起因する被害妄想が疑われる場合
障害者から障害者虐待を受けている旨の申出がなされた場合で、精神的な障害に起因する被害妄想が疑われるときであっても、通報の対象とすること。

(5)
配偶者からの暴力事案に該当する場合
配偶者から障害者虐待が行われた場合で、当該障害者虐待が身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫であるときは、当該障害者虐待は、障害者虐待事案であるとともに、配偶者からの暴力(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成13年法律第31号)第1条第1項に規定する配偶者からの暴力をいう。)に係る事案(以下「配偶者からの暴力事案」という。)にも該当することから、障害者虐待事案として通報するとともに、配偶者からの暴力事案に係る対応要領(平成14年12月18日例規(生総・府民・地総・刑総)第104号)に基づき配偶者からの暴力事案としても適切に対応すること。

1

なお、配偶者から障害者虐待を受けた被害者の保護が必要な場合は、被害者の年齢及び要望並びに事案の内容を考慮した上、市区町村又は配偶者暴力相談支援センター(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律第3条に規定する配偶者暴力相談支援センターをいう。)に引き継ぐこと。

2通報要領

(1)
警察本部で認知した場合
ア警察本部の所属長(生活安全総務課長を除く。)、警察学校長、方面本部長、組織犯罪対策本部長及び犯罪抑止戦略本部長は、障害者虐待事案を認知したときは、広聴相談カード(大阪府警察広聴相談取扱規程(平成13年訓令第21号)別記様式第1号)、被害届(犯罪捜査規範(昭和32年国公委規則第2号)別記様式第6号)その他当該障害者虐待事案の概要を記録した書面の写しにより、生活安全総務課長に連絡するものとする。


前記アの規定により連絡を受けた生活安全総務課長は、障害者虐待を受けたと思われる者の住所地又は居所を管轄する警察署長に市区町村への通報に係る措置を引き継ぐものとし、障害者虐待事案措置経過簿(別記様式第1号。以下「経過簿」という。)により、その経過を明らかにしておくとともに、障害者虐待事案管理簿(別記様式第2号。以下「管理簿」という。)に必要事項を記載するものとする。

(2)
警察署で認知した場合及び警察本部の所属等から引継ぎを受けた場合
ア警察署長は、障害者虐待事案を認知した場合又は前記(1)のイの規定により引継ぎを受けた場合は、経過簿により、その経過を明らかにしておくとともに、管理簿に必要事項を記載した上、速やかに、障害者虐待を受けたと思われる者の住所地又は居所の市区町村に、障害者虐待事案通報票(別記様式第3号。以下「通報票」という。)により通報するものとする。この場合において、急を要するときにあっては、電話等により通報し、事後通報票を送付するものとする。
なお、通報する時点で詳細が判明していない事項については「不詳」とし、当該事項の調査により通報が遅れることのないように配意するものとする。
イ警察署長は、前記アの規定により通報したときは、経過簿により、その経過を明らかにしておくとともに、管理簿に必要事項を記載するものとする。

3通報後の措置状況の把握

(1)
市区町村が行う措置の結果等の確認
前記2の(2)のアの規定により障害者虐待事案を通報する場合は、市区町村に対して、当該市区町村が行う措置の結果を連絡するよう依頼するものとする。
なお、通報後1か月を経過しても市区町村から措置結果の連絡がない場合は、当該市区町村に対してその状況を確認するものとする。

(2)
経過簿及び管理簿への記載
前記(1)の規定により把握した内容等については、経過簿及び管理簿に記載し、その経過を明らかにしておくものとする。

4通報以外の措置

障害者虐待事案を認知したときは、前記2の規定による市区町村に対する通報を行うほか、事件化の可能性及び必要性並びに当該障害者虐待事案の緊急性及び重大性を迅速に検討した上で、取り扱うべき事案については、関係機関の告発等を待つことなく、可能な限り速やかに、暴行、傷害、保護責任者遺棄、殺人未遂等のあらゆる罪名を適用し、関係者の事情聴取、取調べ、対象家屋の捜索、被疑者の逮捕等の必要な捜査を積極的に行った上、捜査を契機として、被害者の死亡等、事態が深刻化する前に被害者を救出し、保護すること。また、刑罰法令に抵触しない場合であっても、事案の内容に応じて、加害者に対する指導、警告等を行う等、必要な措置を講ずること。

第4 援助依頼への対応

1援助依頼の受理等

(1)
警察署長は、法第12条第1項の規定による市区町村長からの援助の依頼を受理した場合は、市区町村が行う法第9条第1項に規定する事実確認のための措置等の状況を確認するものとする。

(2)
前記(1)の規定による確認により、障害者の生命又は身体の安全を確保するために援助の必要があると認めたときは、市区町村長から障害者虐待事案に係る援助依頼書(別添(「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律の施行を踏まえた障害者虐待事案への適切な対応について」(平成24年9月5日警察庁丙生企発第90号、丙給厚発第12号、丙地発第26号、丙刑企発第82号、丙捜一発第51号)別添4)。以下「援助依頼書」という。)の提出を受けた上で、生活安全課(生活安全刑事課を含む。)を窓口として、速やかに市区町村長と事前協議を行い、対応の方法、役割分担等を検討し、事案に応じた適切な援助に努めるものとする。
なお、緊急やむを得ない場合で、市区町村長から口頭により援助の依頼を受けたときは、事後、援助依頼書の提出を受けること。

2援助の範囲

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援助の実施に当たっては、警察法(昭和29年法律第162号)、警察官職務執行法(昭和23年法律第136号)等の法律により警察官に与えられている任務及び権限に基づく措置を講ずるものとする。

3経過簿等への記載

援助を実施した場合は、経過簿により、その経過を明らかにしておくとともに、管理簿に援助の実施日を記載するものとする。
なお、援助依頼書を受理したものの、援助を実施しなかったときは、その理由、経緯等を経過簿に記載しておくものとする。

第5留意事項

1関係各部門及び関係各課(係)間の連携

障害者虐待事案への対応に当たっては、警察本部の関係各部門及び警察署の関係各課(係)の相互の連携を密にし、適切な対応に努めるものとする。

2関係機関等との連携

市区町村をはじめ、大阪府等の関係部局、民生委員等の関係機関・団体等と連携して、障害者虐待を受けた被害者の立場に立った的確な措置が講じられるように努めるものとする。
なお、市区町村においては、法第35条の規定により障害者虐待の防止等のため、福祉事務所その他関係機関、民間団体等との連携協力体制の整備をしなければならないこととされていることから、市区町村から警察署に対し、連携協力体制に係る連絡会議等への参加依頼がなされた場合には、積極的に応じるものとする。

3教養の実施

所属長は、障害者虐待事案について適切に対応するため、所属職員に対し必要な教養を行うものとする。

第6報告

警察署長は、次に掲げる場合は、その都度、速やかに生活安全部長(生活安全総務課)宛てに報告するものとする。この場合における報告は、大阪府警察ストーカー・配偶者からの暴力等事案情報管理業務実施要領(平成27年3月27日例規(生総)第36号)第7に規定する登録により行うほか、必要に応じて関係書類を送付することにより行うものとする。
(1)障害者虐待事案を認知した場合
(2)障害者虐待事案を市区町村長に通報した場合
(3)市区町村長からの援助依頼を受理した場合
(4)前記(3)の依頼に基づき援助を実施した場合
(5)当該事案の加害者を検挙した場合
(6)当該事案につき障害者虐待を受けた被害者の保護が図られた場合

第7経過措置

この例規通達実施の際現に「障害者虐待事案に係る対応要領の制定について」(平成24年9月25日一般(生総・府民・地総・刑総)第487号。平成25年12月25日一般(府対・府民・地総・刑総)第703号により効力延長及び一部変更)の規定により作成した障害者虐待事案通報票及び障害者虐待事案措置経過簿は、この例規通達の規定により作成した通報票及び経過簿とみなす。