刑事部 見当り捜査班長からのメッセージ
1 担当業務について
私が勤務している捜査共助課は、主に逃亡犯（指名手配犯等）を全国に手配・逮捕する業務をしています。私は、その中でも指名手配犯人などの顔写真を記憶し、街中に出てそれら指名手配犯人等を発見して逮捕する「見当り捜査」を担当しています。
2 「印象が残った取扱い」について
被害者の方は、犯人が捕まっていないことで「また同じ犯人から被害に遭うかもしれない」という恐怖や不安を抱えたままの生活を強いられます。
犯人を捕まえることで、被害者の方が安心して生活できるよう「逃げ得は絶対に許さない！」という気持ちで、毎日犯人達の顔を頭にたたき込んでいます。
ある日「あっ！この人」とピンときた犯人は、関東地方で強盗事件を犯し、風貌を変え、偽の身分証明書まで揃えて他人になりすまして10年以上も逃亡を続けている男でした。
私が記憶していたその顔写真は、20年前に撮られたものでしたが、写真よりは年はとってはいるものの、顔だけでその犯人に間違いないと確信しました。職務質問した際、その犯人は偽の名前を騙り続けましたが、自信をもってその場で逮捕しました。
逮捕した日は、事件の時効9ヶ月前のことでした。
もし、顔を覚えていなかったら、その犯人とすれ違っていても、気づかずにさらなる逃亡を許してしまったと思うと「見当り捜査」の必要性を改めて感じました。
3 休日の過ごし方
私と同じ警察官の夫もアウトドア派なので、子供が小さい頃はスキーやキャンプ、釣り、海外旅行など家族でいろんなところに行っていろんな経験をしました。
現在は、写真の子供達も成人し、休みの日は一緒に料理をしたり全国各地の日本酒を取り寄せたりして、家族で乾杯しています。
将来、家族全員でフルマラソンを完走するのが目標です。
4 警察官をめざしている皆さんへ
私は、子供を産んでから刑事の仕事に就きました。刑事の仕事をしながら2人の子育てをすることに、初めは不安もありましたが、家族や職場の同僚に支えられて家庭と仕事を両立することができました。
現在大阪府警察においては、さらにワークライフバランスのための制度も充実し、子育てしながら各分野で活躍されている女性刑事も増えています。
警察官は、華やかさはなく、地味で決して楽な仕事でもありません。
しかし、仲間と共に地道に努力して、悪い奴を捕まえ、被害者の方々の無念を晴らすことが出来るのは警察官にしかできない仕事で、心から「誇り」を持てる職業です。
（注意）平成29年に見当り捜査班の班長（チームリーダー）に任命され、大阪府警察技能指導官として活躍中です。
女性の見当り捜査班長は、全国で初めてのことです。