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大阪府および奈良県の境界附近における事案の処理にかかる大阪府警察または奈良県警察の権限に関する協定並びに同細目協定

昭和41年5月10日
例規(務)第46号

大阪府および奈良県の境界附近における事案の処理にかかる大阪府警察または奈良県警察の権限に関する協定(以下「協定」という。)並びに大阪府および奈良県の境界附近における事案の処理にかかる大阪府警察または奈良県警察の権限に関する細目協定(以下「細目協定」という。)を別記のとおり締結し、昭和41年5月10日から効力を生ずることとなつたので、次の諸点に留意し、適正な運用をはかられたい。

1 趣旨

大阪府と奈良県にまたがる生駒山上遊園地、生駒山脈縦走自動車道及び金剛山附近は、相当数の行楽客、登山者等があるので、この地域における事件事故等については、両府県警察が積極的に協力して、事案を能率的に処理し、国民感情に即した適切な警察活動をはかるとともに、奈良県又は大阪府の区域内における大阪府警察又は奈良県警察の権限行使を適法なものとするために、警察法第60条の2の規定に基づいて協定が締結され、協定の実施に必要な細目事項を細目協定として締結した。

2 運用についての基本的な考え方

協定及び細目協定については、協定締結の趣旨にのつとり、協定区域内における事案については、府県警察の管轄区域にかかわらず、迅速、適正かつ円滑に処理するように運用すること。

3 協定第1条関係

(1) 協定第1条は、両府県境界附近のうち、両府県にまたがる施設、観光地等で警察対象業務も多く、両府県警察が緊密な連絡のもとに事案処理に当たる必要がある区域を協定区域としたものである。
(2) 「大阪府警察および奈良県警察は、……管轄区域にそれぞれ権限を及ぼすことができる。」とは、両府県警察が相手の府県警察の管轄区域においても、その府県警察の権限として協定に従つて事案等を処理できることである。したがつて、この場合、両府県警察の警察官は、警察官に与えられたすべての権限を行使することができることになる。
(3) 第1号及び第2号に定める境界線から1キロメートルの地点は、現地で確認することが困難であるから、そのような地点においては、先に事案を知つた府県警察の警察官が協定の趣旨にそつて、応急措置をすること。

4 協定第2条第1項関係

(1) 協定第2条第1項は、協定区域内における事案は両府県警察が協力して応急の措置をとつた後、管轄警察に引き継ぐことを協定したものであつて、応急措置を要する事案の範囲は、細目協定第1条に規定しているとおりである。
なお、細目協定第1条第2号及び第7号の運用解釈は、次によること。
ア 第2号の「要検視事案」とは、検視規則に規定されている変死体を発見し、又はこれがある旨の届出を受けた場合をいう。
イ 第7号の「前各号に類する事案」とは、変死体以外の死体の発見、行方不明者、迷い子、山岳遭難者等の捜索、少年補導、遺失届の受理、その他第1号から第6号までに掲げる事案以外の事案で警察の責務に属し、又は国民感情からして、警察がなんらかの措置をする必要があると思われるすべての事案をいう。
(2) 生駒山自動車道及び生駒山脈縦走自動車道における交通法令違反被疑事件及び交通事故事件の処理については、「大阪府警察と奈良県警察との交通取締り等に関する警察官の職権行使に関する協定(昭和38年11月11日)」があるので、「別に定めがあるもの」として、この協定から除外することとした。
(3) 「大阪府警察および奈良県警察は、相互に協力して応急の措置をとる。」とは、一般的には、協定区域内において事案を認知した警察が細目協定第2条に規定する要領で応急の措置をとるとともに、所轄警察署に連絡し、連絡を受けた所轄警察署は、直ちに現場へ急行して、共同で応急措置に当たることとなるが、職務質問から被疑者を検挙する場合は、認知した警察官が逮捕手続書等を作成した後に所轄警察署に引き継ぐこととなり、また、少年補導などあらかじめ日を定めて行うような場合は、事前に両府県警察が協議して共同で行うことも考えられるので、事案に対応して幅のある運用をすること。
なお、細目協定第2条の「その管轄区域を問わず」とは、原則的には、協定区域内ということが前提となるが、協定区域外へ逃走する被疑者を追跡する場合、災害が協定区域外に及ぶ場合、要保護者を搬送する場合等事案によつては、協定区域外についてもこれを適用することがある。
(4) 「管轄する府県警察に引き継ぐ」とは、原則的には、所轄警察署に引き継ぐことを意味するが、協定第1条第1号の協定区域は、四条啜、枚岡及び八尾の3警察署の管轄区域にわたつているので、奈良県警察から連絡を受けた警察署が管轄区域にかかわらず警察官を現場へ急行させて、応急措置、事案の受け継ぎ等を行つた後、当該所轄警察署に引き継ぐなど、奈良県警察と円滑な協力関係の保持に配意すること。
(5) 事案の引継ぎの時機は、原則的には、応急措置をしたときになると思われるが、現場の状況、事案等によつて、一率に決めることは困難であるので、そのつど関係者が協議のうえ適正妥当な運用をはかること。
(6) 「事後措置を要しない事案」とは、職務質問をした結果、不審な点が認められない場合、要保護者を保護し所轄警察署に引き継ぐまでにその家族等が引取りに来て渡した場合等当該事案の応急措置に関連して事後になんらの措置も必要としないと認められる事案をいう。

5 協定第2条第2項関係

協定区域内における警衛、警護及び警備実施を的確に行うため、両府県警察が実施のつど担当区分、人員、引継場所その他の実施要領について協議することを協定したものであるが、この協議の時機及び方法は、次によること。
(1) 協議の時機は、事案ごとに事前に協議することを原則とするが、正当な理由(たとえば、緊急を要する場合、通信がと絶した場合等客観性のあるもの)により事前に協議できなかつた場合は、警備実施等の継続中のできるだけ早い時機に協議し、やむを得ない場合は、事後すみやかに理由を付して通知することとする。
(2) 協議の方法は、事案に対応して、会議、文書その他の方法により行うこととなるが、定型的な警衛、警護等で相手の府県警察にその計画概要がわかるものについては、電話連絡をもつて協議とみなすこととする。

6 細目協定第3条関係

協定区域内における事案の処理並びに警衛、警護及び警備実施を円滑に行うために、両府県警察は、相互に協力し、緊密な連絡のもとに情報の収集及び通報並びに装備資器材の使用その他の便宜供与を行うことを協定したものであるから、奈良県の関係警察署に対しては、通報、連絡、便宜供与等を積極的に行うなど、良好な協力関係に特段の配意をすること。

大阪府および奈良県の境界附近における事案の処理にかかる大阪府警察または奈良県警察の権限に関する協定

大阪府公安委員会および奈良県公安委員会は、警察法(昭和29年法律第162号)第60条の2の規定に基づき、大阪府および奈良県の境界附近における事案の処理にかかる大阪府警察または奈良県警察の権限の行使について次のとおり協定する。

(権限行使の区域)

第1条 大阪府警察および奈良県警察は、次の各号に掲げる区域における応急措置を必要とする事案の処理ならびに警衛、警護および警備実施を行なうため、奈良県警察または大阪府警察の管轄区域にそれぞれ権限を及ぼすことができる。
(1) 大阪府と奈良県の境界(以下「府県境界」という。)が生駒山自動車道(国道大阪生駒奈良線から生駒山上に至る自動車道)と最も北で交差する地点(別図第1のァ点)から南へ府県境界が生駒山脈縦走自動車道(生駒山上からケーブル高安山駅および信貴山に至る自動車道)と最も南で交差する地点(別図第1のイ点)に至る間の府県境界から1キロメートルまでの大阪府または奈良県の区域(別図第1の点線で囲む区域)
(2) 府県境界が篠峰山頂と交差する地点(別図第2のァ点)から南へ府県境界が金剛山伏見峠嶺線と交差する地点(別図第2のイ点)に至る間の府県境界から1キロメートルまでの大阪府または奈良県の区域(別図第2の点線で囲む区域)

(事案等の処理方法)

第2条 応急措置を必要とする事案については、別に定めのあるもののほか、大阪府警察および奈良県警察は、相互に協力して応急措置をとり、当該事案の発生場所または主たる犯行場所を管轄する府県警察に引き継ぐものとする。ただし、事後措置を要しない事案は、引き継ぐことを要しない。
2 警衛、警護および警備実施については、大阪府警察および奈良県警察は実施のつど、実施要領等について協議するものとする。

(細目的事項の委任)

第3条 大阪府警察本部長と奈良県警察本部長は、この協定の実施のため、必要な細目的事項について協定することができる。
別図第1 省略
別図第2 省略

参考

大阪府および奈良県の境界附近における事案の処理にかかる大阪府警察または奈良県警察の権限に関する細目協定

大阪府警察本部長および奈良県警察本部長は、大阪府および奈良県の境界附近における事案の処理にかかる大阪府警察または奈良県警察の権限に関する協定(以下「協定」という。)の実施に必要な細目的事項について次のとおり協定する。

(応急措置を必要とする事案の範囲)

第1条 協定第1条に規定する応急措置を必要とする事案は、次の各号に掲げる事案で、当該府県警察の警察官が現認し、または届出を受けたものとする。
(1) 刑法犯および特別法犯被疑事件
(2) 要検視事案
(3) 警察官職務執行法(昭和23年法律第136号。以下「法」という。)第2条第1項に規定する要質問事案
(4) 法第3条第1項に規定する要保護事案
(5) 法第4条第1項に規定する避難等の措置を必要とする事案
(6) 法第5条に規定する犯罪の予防および制止を必要とする事案
(7) 前各号に類する事案
(8) 前各号の処理に関連して派生する事案

(応急措置の要領等)

第2条 応急措置を必要とする事案の発生に際しては、大阪府警察官および奈良県警察官は、その管轄区域を問わず相互に協力して届出の受理、犯罪の鎮圧、被疑者の逮捕、関係者の確保、現場保存、質問、救護、避難等の措置、警告制止、当該所轄警察署への連絡等に当たるものとする。

(相互の協力)

第3条 大阪府警察および奈良県警察は、事案等の処理を円滑に行なうために必要な情報の収集、装備資器材の使用等について、相互に緊密な連絡を行ない、便宜を供与するほか相互に協力するものとする。