錠前・ガラス・防犯機器について(ガラスの種類と防犯性能)
ガラスの種類と防犯性能
一般的に流通している代表的なガラスを並べてみました。
皆さんのご自宅のガラスと比較して見てください。
防犯性能が低い場合は交換を検討してください。
(1)フロートガラス
最も一般的な透明ガラスであり、開口部に利用される割合が最も高い。
防犯性能は低い。
右図のような型板ガラス(片側面に型模様をつけたガラス)も防犯性能は低い。
(2)網入りガラス
火災時に熱で割れても破片が脱落せず、延焼を防ぐためのガラスである。
頑丈そうに見えるが、破壊行為には弱く、 防犯性能は低い。
(3)強化ガラス
フロートガラスの3~5倍の強度を持ったガラスですが、道具によっては簡単に破れるため、防犯性能は低い。 破片が粒状になる特性を持つ。
(4)合わせガラス
2枚の板ガラスの間に樹脂製の中間膜を挟み、加熱・圧着した安全ガラスである。
割れても中間膜の効力で破片が殆ど飛散しないため、衝突事故や災害時の安全性確保には効果がありますが、防犯性能は十分とはいえない。
(5)防犯ガラス
2枚の板ガラスの間に樹脂製の特殊中間膜を挟み、加熱・圧着したガラスである。
特殊中間膜の膜厚は「合わせガラス」の2倍以上で、ガラス破りに時間が掛かる。
防犯ガラスとして販売されているものには中間膜の厚さが30ミル(0.76ミリメートル)、60ミル(1.52ミリメートル)、90ミル(2.28ミリメートル)のものがあり防犯性能は高い。
右の図は中間膜が60ミルのもの。
(6)複層ガラス
2枚の板ガラスの間に乾燥空気を密封した省エネ断熱ガラスである。
新築戸建住宅では多く使われている。
2枚のガラスのうち1枚を網入りガラスや型板ガラスにしたとしても、ガラス破りに若干手間がかかるだけで、防犯性能は低い。
(7)防犯複層ガラス
複層ガラスの一種で、2枚のガラスのうち1枚を防犯ガラスにしたもの。
省エネ断熱効果に加え、防犯性能も高い。
更に防犯効果を高める為には、補助錠やセキュリティシステムと併用するとよい。
一部住宅メーカーでは、新築戸建住宅に標準採用されている。
(参考図書:(財)都市防犯研究センター JUSURIリポート 第29号)