大阪府警察施設類型別計画_交番及び駐在所編
交番及び駐在所編
目次
第1 目的等
- 目的
- 役割
- 交番等の設置基準
第2 現状と課題
- 交番等の現状
(1) 施設の状況
(2) 整備等の状況
(3) 総量最適化・有効活用への取組状況 - 課題
(1) 交番等における老朽化等
(2) 維持管理
第3 取組方針
- 長寿命化(長期使用)を前提とした維持保全に向けた取組方針
(1) 長寿命化の検討
(2) 維持保全の計画的・効率的な実施 - 総量最適化・有効活用に向けた取組方針
- 計画的な更新(建替)に向けた取組方針
(1) 更新(建替)の検討
(2) 更新(建替)の計画的な実施
1 目的
本編における対象施設は、交番及び駐在所(以下「交番等」という。)であり、本計画はこれらを最適な状態で維持、管理及び運営するための整備計画である。
本計画の取組期間は令和8年度から令和17年度までの10年間とし、取組の進捗状況を毎年度検証し、おおむね3年が経過した時点で必要に応じ見直す。
2 役割
交番等では、パトロールや巡回連絡等の様々な活動を通じて、地域住民の意見・要望に応えるべく、管轄する地域の実態を把握し、その実態に即した活動を行っている。また、昼夜を分かたず常に警戒体制を保ち、様々な警察事象に即応する活動を行うことにより、地域住民の安全と安心のよりどころとなり、府民の身近な不安を解消する機能を果たしており、地域の治安を維持するために不可欠な施設である。
3 交番等の設置基準
「地域警察運営規則(昭和44年6月19日国家公安委員会規則第5号)」第15条に、交番等設置の基準が規定されている。
大阪府警察においては、この基準を基に、地域環境や治安情勢、犯罪や交通事故の発生状況、人口、世帯数のほか、地域の面積、隣接する交番等との距離等を総合的に検討し、地域の安全を確保する上で必要であると判断される所について、交番等を設置している。
地域警察運営規則(昭和44年6月19日国家公安委員会規則第5号)
第二章 交番及び駐在所
(設置)
第15条 交番又は駐在所は、昼夜の人口、世帯数、面積、行政区画及び事件又は事故の発生の状況等の治安情勢に応じ、警察署の管轄区域を分けて定める所管区ごとに置くものとする。
2 交番は原則として都市部の地域に、駐在所は原則として都市部以外の地域に設けるものとする。
1 交番等の現状
(1) 施設の状況
交番等は、令和8年1月1日現在、624か所(交番578か所、駐在所46か所、交番には署所在地交番(本署に組み込まれている交番)1か所、警備派出所2か所を含む。)が設置されているが、建築後40年を経過している交番等は291か所、このうち50年を経過している交番等は192か所となっている。
交番等については構造体が鉄筋コンクリート造、コンクリートブロック造、鉄骨造、軽量鉄骨造、木造と様々であり、耐用年数(備考1)は構造体により異なるが、耐用年数を経過した交番等は220か所(リフォームにより長寿命化を実施した4施設は除く。)となっている。
(備考1)耐用年数は、財務省令「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」を基準とする。
- 鉄筋コンクリート造 建築後50年
- コンクリートブロック造 建築後41年
- 鉄骨造 建築後38年
- 軽量鉄骨造 建築後30年
- 木造 建築後24年
(2) 整備等の状況
ア 更新の状況
(ア) 交番等の更新の考え方
- 耐用年数経過交番のうち、施設の老朽化が著しい又は狭隘化が著しい等、交番の機能性が不十分なものについて、交番存続の必要性を検討の上、更新を実施している。
- 公共工事等により移転の要請を受けた交番にあっては、耐用年数にかかわらず、当該事業による移転の必要性、交番存続の必要性等を検討の上、優先的に更新を実施している。
(イ) 近年の更新状況
600か所を越える交番等を計画的に更新していくためには、毎年10か所程度の更新が必要であるが、令和5年度4か所、令和6年度3か所、令和7年度5か所の更新にとどまっている。(令和8年度は4か所更新予定)
イ コスト縮減への取組状況
次の項目について検討を続け、建築コストの削減を図っている。
(ア) 交番仕様を配置人員等により細分化し、更新面積を縮減している。
(イ) その他、ガス設備の廃止、建具の削減等を実施している。
ウ 維持管理の状況
維持管理は、外壁の損壊等の不具合が発生してから補修対応を実施する、いわゆる事後保全に頼っているものとなっているため、理想とする計画周期に基づく予防保全や、事後保全となる各種修繕等が十分には行き届いていない状況にあり、施設の老朽化により外壁の剥離や落下、雨漏り、フェンスの傾き等が発生している交番等がある。
(3) 総量最適化・有効活用への取組状況
ア 交番等適正配置の検討(交番等の最適化計画)
令和4年度より、交番等の数や配置についても、警察機能が最大限に発揮できる環境を目指し、社会環境や治安情勢の変化を踏まえた検討を重ね、交番等の計画的な建替を行う一方で、必要と認められる場合は、統合、移転及び新設を進めていく「交番等の最適化計画」に着手している。
その結果、649か所あった交番等が、現在は624か所になった。
イ 交番仕様の細分化による延べ面積の削減
前述((2)イ(ア))のとおり、配置人員等により仕様を細分化し、小規模交番におけるシャワー施設の廃止等、延べ面積の削減を図っている。
ウ 駅ビル等民間施設への組込み
周辺の開発に伴い、交番の視認性、機能性等を確保した上で、駅ビル等民間施設への組込みを実施している。
2 課題
(1) 交番等における老朽化等
交番等は、24時間・365日休みなく稼働している施設であるが、多くの交番等で老朽や狭隘等の課題を抱えており、最適な施設環境とは言い難い状況である。
このため、安全性や利便性を高めるため計画的に改善していく必要がある。
ア 老朽化
交番等は、老朽化が進んでおり、特に経過年数の長い交番等にあっては、その傾向が顕著である。施設規模が小さいため、建築基準法上の法定点検の対象外となっているが、勤務員等による目視点検の結果、老朽化の主な状況として、
- 外壁のひび割れ、浮き、剥離等
- 建具等の腐食、発錆、塗装劣化等
が見られる。また、外壁の崩落(備考2)や屋上からの漏水等が度々発生している。
特に、昭和56年の建築基準法改正以前の旧耐震基準の施設や、木造、コンクリートブロック造等元々の耐用年数が短い構造体で、耐用年数を経過した施設については、近い将来に発生が危惧される南海トラフを震源とする東南海地震のほか、大規模風水害等の発生時には防災活動の要となるべき交番等が倒壊し、機能しなくなるおそれもあることから、更新について検討する必要性が高い。
(備考2)幸いにも人的被害の発生は無いものの、経年劣化のため出入口庇部分の崩落等、府民に重大な危害を及ぼすおそれのある損壊が発生している。
イ 狭隘化
多様化する警察事象に的確に対応するため配置人員の増加や装備資機材の増強等により、狭隘化が著しい交番(備考3)がある。
(備考3)大阪府警察において、更新時最小基準としている広さに満たない交番が64か所ある。
ウ バリアフリー化の未整備等
「大阪府福祉のまちづくり条例(平成4年10月28日大阪府条例第36号)」の施行以前に更新・新設された、来庁者利用部分のバリアフリー化(備考4)がなされていない交番等が405か所となっている。
このため、施設環境の整備に努めなければならないところ、狭隘な交番にあっては、改修等によるバリアフリー化が困難な状況にある。
(備考4)段差の解消、車いす回転スペースの確保、インターホンの設置等をいう。
(2) 維持管理
事後保全型の維持管理は、交番等の外壁や屋上等からの雨漏りが発生してからの対応となり、漏水を原因とした外壁の浮き等の蓄積により、外壁の崩落等府民に危害を及ぼす事故につながる危険性もある。
多くの建物においては、長期間使用せざるをえないことが想定されることから、府民等が安全に利用できるように、施設の点検体制の充実を図り、施設の不具合が発生する前に予防的に施設の改修を行う仕組みを構築する必要がある。併せて、施設の長寿命化を図り、維持経費の軽減・平準化、トータルコストの縮減を目指し、より計画的な予防保全・事後保全の実施に向けた取組を進めていく必要がある。
1 長寿命化(長期使用)を前提とした維持保全に向けた取組方針
- 建物を長期に使用せざるをえないことを前提に、安全・安心に使用するために必要な維持保全(予防保全・事後保全)を着実に実施する。
(1) 長寿命化の検討
前期計画において、鉄筋コンクリート造の施設の更新時期については「建築後70年以上」を目標としているが、今後、昭和40年代に年間20施設以上のペースで建設した建物が一気に更新時期を迎えることから、建築後70年を目安に更新することが困難となることが想定される。「建築後70年以上」の長期間使用せざるをえなくなることから、更なる長期使用を前提とした取組が必要となる。
(2) 維持保全の計画的・効率的な実施
前期計画等に基づき、様々な取組を行ってきたが、理想とする計画周期に基づく予防保全や、事後保全となる各種修繕等が十分には行き届いていない状況にある。
また、更なる長期使用が想定される中において、施設を安全・安心に使用し続けるための予防保全・事後保全はさらに重要となるため、老朽化が進んだ交番を中心に必要に応じて点検を実施する等、計画的かつ効率的な維持保全の実施を検討していく。
2 総量最適化・有効活用に向けた取組方針
- 新規施設整備については、必要性を十分に精査することとし、将来の利用需要に応じた施設の有効活用や、総量の最適化を図る。
交番等は、地域警察官の拠点として存在そのものが府民に安心感を与えることはもとより、安全センターとしての役割を果たしているところであるが、大阪府警察にあっては、前述(第2の1(3))のとおり、「交番等の最適化計画」や治安情勢等に鑑み交番等の総量最適化や有効活用を図ってきた。
今後も、狭隘解消等の環境改善のほか、警察事象の変化等新たなニーズに対する必要が生じた場合は、既存施設の有効活用、転用を検討し、これらができない場合は、新設、増設についても検討するとともに、将来的な治安情勢や人口動態の変化を踏まえた施設の減築、集約等も検討することで、総量最適化・有効活用に取り組んでいく。
3 計画的な更新(建替)に向けた取組方針
- 集中する更新時期を分散し、事業量を平準化させながら、計画的かつ着実に必要な更新(建替)を進める。
(1) 更新(建替)の検討
建物を使用する期間として「建築後70年以上」を目安とし、更新時期の集中を回避するとともに、求められるニーズに対応する観点から、建築後70年に関わらず柔軟に検討し、必要な建物について計画的に更新を進める。
また、劣化が著しい場合や物理的な狭隘の度合いが著しく高い場合で、通常の維持・修繕を加えても、課題の解消、安全性や府民サービスの確保、多様化する警察事象への対応が困難なことが見込まれる場合は、優先的に更新の検討を行っていく。
(2) 更新(建替)の計画的な実施
更新の実施に当たっては、毎年度の財政負担、工事等執行能力や「交番等の最適化計画」を踏まえ、集中する建替時期を分散し事業量を平準化させながら、中長期的な視点を持って、計画的かつ着実に必要な建替を進めていく。
この記事に関するお問い合わせ先
大阪府警察本部総務部施設課計画第二係
電話番号 06-6943-1234(代表)
平日午前9時00分から午後5時45分(土曜日、日曜日、祝日及び年末年始を除く。)
















