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大阪府警察施設類型別計画_全体版

大阪府警察施設類型別計画

令和8年3月
大阪府警察

はじめに

警察施設は、建物と交通安全施設( インフラ) に大別され、さらに建物は、施設規模や財産目的で細分すると、本部庁舎及び警察署、交番及び駐在所、待機宿舎(令和6年4月改正)の3つに区分される。したがって、本計画は、区分ごとの整備計画とし、建物の3編と交通安全施設を合わせた4編構成とする。

本計画は、令和8年3月改訂の「大阪府ファシリティマネジメント基本方針(第二期)(以下「FM基本方針」という。)」に示された各施設毎の
取組方針を定めた計画「施設類型別計画」と位置づけ、警察活動の基盤となる警察施設を最適な状態で維持、管理及び運営するための計画とする。

令和8年3月
大阪府警察

本部庁舎及び警察署編

目次

第1 目的等

  1. 目的
  2. 役割
  3. 警察署の基準

第2 現状と課題

  1. 現下における警察情勢
    (1) 治安維持
    (2) 人員体制
    (3) 来庁者の状況
  2. 警察施設の現状
    (1) 施設の状況
    (2) 整備等の状況
  3. 課題
    (1) 警察署における老朽化・狭隘化等
    (2) 警察署に求められる機能への対応
    (3) 維持管理

第3 取組方針

  1. 長寿命化(長期使用)を前提とした維持保全に向けた取組方針
    (1) 長寿命化の検討
    (2) 維持保全の計画的・効率的な実施
  2. 総量最適化・有効活用に向けた取組方針
    (1) 施設総量の最適化(人口減少社会に対応した施設総量)に向けての検討
    (2) 施設の新設の精査及び既存施設の有効活用に向けての検討
    (3) 本部庁舎の在り方の検討
    (4) 警察署の在り方の検討
  3. 計画的な更新(建替)に向けた取組方針
    (1) 更新(建替)の検討
    (2) 更新(建替)の計画的な実施
     

第1 目的等

1 目的

本編における対象施設は、本部庁舎及び警察署であり、本計画はこれらを最適な状態で維持、管理及び運営するための整備計画である。
本計画の取組期間は令和8年度から令和17年度までの10年間とし、取組の進捗状況を毎年度検証し、おおむね3年が経過した時点で必要に応じ見直す。

「本部庁舎」とは、本部本庁舎、本部別館をいい、「本部別館」とは、関目別館庁舎、新北島別館庁舎、芦原別館庁舎、中崎町別館庁舎、森之宮別館庁舎、りんくうタウン別館庁舎、総合訓練センター庁舎、第一方面機動警ら隊庁舎、航空隊庁舎、門真運転免許試験場庁舎、光明池運転免許試験場庁舎等本部本庁舎以外の本部施設をいう。

2 役割

本部庁舎及び警察署は治安を維持するために不可欠な施設であり、特に本部本庁舎(大阪市中央区)はその中枢となる施設である。また、警察署は、第一線における警察活動の拠点として留置施設、取調室等、警察特有の設備を有しているとともに、災害発生時には、被災者等の救出・救助活動等における拠点としての機能も有しており、いずれの施設も、府民の安全・安心を確保するために極めて重要な役割を担った施設である。

3 警察署の基準

警察法施行令(昭和29年6月19日号外政令第151号)第5条
(警察署の名称等の基準)
第5条 法第53条第4項に規定する警察署の名称、位置及び管轄区域の基準は、次のとおりとする。
一 警察署の名称は、(以下省略)。
二 警察署の位置は、管轄区域内の住民の利用に最も便利であるように、他の官公署との連絡、交通、通信その他の事情を参しゃくして決定すること。
三 警察署の管轄区域は、警察の任務を能率的に遂行することができるように、人口、他の官公署の管轄区域、交通、地理その他の事情を参しゃくして決定すること。

第2 現状と課題

1 現下における警察情勢

(1) 治安情勢

府下の治安情勢は、他の都道府県と比較しても厳しい情勢にあり、特に特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺は認知件数、被害額ともに過去最悪となるなど極めて深刻な状況にあるほか、子供や女性が被害者となる犯罪等も後を絶たない現状にある。また、サイバー空間における脅威への対処や府民生活を脅かす存在である暴力団組織、匿名・流動型犯罪グループへの対応、多発する交通死亡事故への対策、経済安全保障や各種テロ対策、大規模災害への備え等、組織を挙げて取り組むべき喫緊の課題が山積している。

(2) 人員体制

治安情勢を踏まえ、大阪府の警察官の定員は増員している。さらに、IRの開業を見据え、令和8年度には121人が増員されることとなっている。厳しい治安情勢の中、警察事象が多様化し、警察に求められる役割が大きくなっている今、体制や業務を見直し、能率的でメリハリのある組織運営をこれまで以上に強力に推進していく必要がある。

参考

大阪府は、例年「国の施策並びに予算に関する最重点提案・要望」において、警察官の更なる増員を国に対し要望している。

(3) 来庁者の状況

警察署は、存在そのものが府民に安心感を与えることはもとより、犯罪抑止に大きく貢献しているところ、刑事事件、交通事故、警察相談等の関係者以外にも、運転免許、遺失・拾得、車庫証明等の手続で利用する等、多数の府民が利用している。

2 警察施設の現状

(1) 施設の状況

本部本庁舎は、平成19年に建設され、地上9階(一部10階)・地下3階、延べ面積は118,091平方メートルとなっており、通信指令室、交通管制センター、燃焼実験室、ヘリポート等の警察本部特有の機能を有しているとともにエコアイスを導入することにより環境性や省エネルギー性に配意された施設となっている。
一方、警察署は、令和8年1月1日現在、66署が設置されているが、建替中の6署を除くと、建築後40年を経過している警察署は29署、このうち50年を経過している警察署は10署となっている。設備環境をみると、エレベーターの設置がない警察署が34署、車いす用トイレの設置がない警察署が10署となっている。

警察署の建築後経過年数(令和8年1月1日時点((補足)建替中の6署は除く))
建築年度 経過年数 署数 現有面積(平方メートル) 割合(パーセント)

平成28年度以降
(2016年度以降)

10年以内 7 45,815.59 17.4

平成18年度から平成27年度
(2006年度から2015年度)

10年から19年 4 25,764.89 9.8

平成8年度から平成17年度
(1996年度から2005年度)

20年から29年 6 30,278.38 11.5

昭和61年度から平成7年度
(1986年度から1995年度)

30年から39年 14 62,850.64 23.8

昭和51年度から昭和60年度
(1976年度から1985年度)

40年から49年 19 64,646.00 24.5

昭和41年度から昭和50年度
(1966年度から1975年度)

50年から59年 8 27,850.96 10.5

昭和31年度から昭和40年度
(1956年度から1965年度)

60年から69年 2 6,813.85 2.6
合計 60 264,020.31 100

(参考1)40年以上経過の署 29署(約48パーセント)
(参考2)50年以上経過の署 10署(約17パーセント) 

(2) 整備等の状況
ア 更新等の状況

大阪府の治安情勢や府民要望等に鑑み、令和に入ってからは、令和3年度の中堺警察署新設をはじめ、八尾、和泉、貝塚、高槻、生野及び曾根崎の6署の建替整備事業が進行中で、夢洲署(仮称)の新設にも取り組んでいる。

イ 耐震化への取組状況

平成18年度から「府有建築物耐震化実施方針(平成19年3月12日)」に基づき、現行の耐震基準と同等の耐震性能を有しない本部庁舎や警察署(構造耐震指標Is値が0.6未満の建築物)について、建替え、耐震改修、移転、撤去のいずれかの手法により優先的・計画的に耐震化を実施してきたところ、平成27年度をもって完了している。

ウ コスト縮減への取組状況

平成27年2月策定の「新・大阪府ESCOアクションプラン」に基づき、平成28年度から警察署でESCOサービスを開始しており、照明のLED化更新及び空調機の熱源更新等の整備により、省エネルギー化及び地球温暖化防止対策を図るとともに、光熱水費の削減によるコスト縮減にも取り組みESCO事業を効果的に推進している。

  • 平成29年度開始
    東成、阿倍野、箕面、富田林及び黒山の5警察署
  • 平成30年度開始
    都島、旭、住吉、関西空港及び泉南の5警察署
  • 平成31年度開始
    天王寺、此花、浪速、豊能及び高石の5警察署
  • 令和2年度開始
    大淀、摂津、豊中南、枚岡及び南堺の5警察署
  • 令和5年度開始
    本部本庁舎
  • 契約が満了した施設
    門真運転免許試験場、東、南、大正、西成、東淀川、羽曳野、寝屋川及び堺の9施設

ESCO(Energy Service Companyの略)事業とは、既存庁舎等を民間の資金とノウハウで省エネルギー化の改修を行い、省エネルギー化による光熱水費の削減分で改修工事に係る経費等を償還し、残余を大阪府とESCO事業者の利益とする事業

エ 維持管理の状況

FM基本方針(第一期)に基づき、外壁の損壊や設備機器の故障等の不具合が発生してから補修対応を実施する事後保全だけでなく、建築基準法上の法定点検の活用に加え、劣化度調査結果及び施設管理者による日常点検結果を反映した「中長期保全計画」及び「修繕実施計画」に基づき予防保全を実施している。
その結果、屋上防水や外壁、電気設備、機械設備等を対象とした緊急性の高い劣化度(d)は概ね解消できたものの、特に空調設備は想定よりも前に故障することが多く、十分な予防保全等が行き届いているとは言い難い。

3 課題

(1) 警察署における老朽化・狭隘化等

警察署は、24時間・365日休みなく稼働し、多数の府民が利用する施設であるにもかかわらず、多くの警察署で老朽や狭隘等の課題を抱えており、最適な施設環境とは言い難い状況である。このため、安全性や利便性を高めるよう計画的に改善していく必要がある。

ア 老朽化

警察署は現状においても老朽化が進んでいるが、10年後には築年数40年を経過する警察署が43署となる。前期計画等に基づき、「事後保全型」から「予防保全型」への維持管理体制を図るべく各種更新改修工事を実施してきた。

建築基準法上の法定点検等の結果、老朽化の主な状況として、

  • 外壁
    ひび割れ、浮き、剥離等
  • 屋上
    漏水、ひび割れ、シール劣化等
  • 空調設備
    漏水、腐食、異常振動、通常と異なるにおい等
  • 電気設備
    破損、腐食、通常と異なるにおい等

が見られる。また、外壁の剥落や屋上からの漏水等が度々発生しているほか、空調機や電気設備も24時間365日休みなく稼働していることから、経年劣化により障害も頻繁に発生するなど、更新すべき機器等の数量も年々増加しており、老朽化は急速に進む一方である。

イ 狭隘化

建築当時に比べ警察事象が増加してきたことから、警察官の増員のほか装備資機材の増強等により、警察力の充実・強化を図っていることを受け、警察署の狭隘化が著しく進行している。
狭隘の度合いをみると、現有の延べ面積と必要とする延べ面積(備考1)を比較した場合、現有面積が必要面積にも満たない警察署が多数ある状況である。
特に、古い警察署ほどその傾向は強く、極めて深刻な問題である。
その他、狭隘の度合いが進行した要因としては以下の事象が挙げられる。

  • 警察業務の多様化
    前述(第2の1(1))のとおり、警察が対応すべき業務が多様化しているとともに、情報通信技術の著しい発展により犯罪の手口が複雑かつ巧妙化していることから、押収・分析すべき書類や物品が増え、証拠品や捜査書類の保管量も増加の一途である。
  • 府民からの相談業務の多様化
    府民からの相談も多様化している状況であり、子供・女性・高齢者・外国人から寄せられる相談も多く、プライバシーの保護や心情、境遇等へ配慮した対応が求められる。
  • 女性用施設の整備
    女性警察職員の割合は年々増加していることから、女性用施設(更衣室やシャワー室等)のさらなる拡充が求められる。

(備考1) 警察庁通達に基づく施設補助金新営基準(各警察署の定員を基に算出)に大阪府として必要な府民応接室や会議室等を加えた面積を「必要とする延べ面積」としている。

(2) 警察署に求められる機能への対応

警察署は地域の安全と秩序を守るための中核的な拠点である。犯罪の予防・捜査、災害対策、地域住民からの相談対応等、その役割は多岐にわたる。
近年では高度化・複雑化する警察事象や多文化共生社会への対応、大規模災害への備え、社会環境の変化に応じた新たな機能も求められている。
こうした背景があり、警察施設には単なる執務空間にとどまらず、迅速な指揮命令系統を支える機能性、安全性を確保する堅牢性、住民が安心して利用できる開放性が求められる。

ア 複雑化する警察事象への対応

警察事象の高度化・複雑化に伴う警察業務のデジタル化など、施設に求められる機能・性能が増大しており、これらに臨機応変に対応できるよう柔軟なインフラ設計が求められる。

イ 警察署におけるバリアフリー化の未整備等

これまでもユニバーサルデザインを考慮した警察署の新設・建替を実施してきたが、エレベーターや自動ドア、スロープ、車いす用トイレ等の設置が未対応の警察署があるため、バリアフリーやユニバーサルデザインに配意した誰もが快適に過ごせる環境整備が求められる。

ウ 警察署セキュリティの強化・向上

警察署への侵入及び証拠品の盗難対策など、より高度なセキュリティの強化が求められる。また、庁舎施設内における入退室管理のため、警察署員エリアと来庁者エリアの明確化、分かりやすい来庁者用動線の確保などが求められる。

エ 防災への対応

発災時における人命救助、避難誘導、治安維持活動の指揮拠点として、警察機能が維持できる構造・設備、災害対応力の強化が求められる。
具体的には、建物への地震被害を軽減する免震・制震機能や、非常用発電機等の重要な設備を高層階に設置する等の浸水対策、通信障害に備えたバックアップ通信の整備、備蓄倉庫の設置、停電時等に備えた貯水設備の整備等が挙げられる。

オ 環境への配慮

環境負荷の低減のため、LED照明等の高効率設備の導入や新築の警察署のZEB化等による省エネルギー化の推進に加え、太陽光発電やEV車両充電設備の導入による再生可能エネルギーの推進、建築物の木質化の促進等を通して脱炭素社会の実現に向けて寄与していくことが求められる。

(3) 維持管理

FM基本方針(第一期)を踏まえ、建築基準法上の法定点検の活用に加え、「中長期保全計画」及び「修繕実施計画」に基づき予防保全を実施した結果、屋上防水や外壁、電気設備、機械設備等を対象とした緊急性の高い劣化度(d)は概ね解消することができた。
しかし、空調設備や電気設備等は想定よりも前に故障することが多く、特に空調設備は故障すると部品の調達等で復旧にも長期間要することとなるため、十分な予防保全等が行き届いているとは言い難い。また、庁舎外壁の剥落や屋上からの漏水等は、事故につながる危険性もある。
多くの建物においては、築後70年以上、長期間使用せざるをえないことが想定されることから、府民等が安全に利用できるように、また故障による設備の停止状態をできるだけ短期間に抑えられるように、施設の点検体制の充実を図り、施設の不具合が発生する前に予防的に施設の改修や機器の更新等を行うことがより一層重要となる。併せて、施設の長寿命化を図り、維持経費の軽減・平準化、トータルコストの縮減を目指し、より計画的な予防保全・事後保全の実施に向けた取組を進めていく必要がある。

第3 取組方針

1 長寿命化(長期使用)を前提とした維持保全に向けた取組方針

  • 建物を長期に使用せざるをえないことを前提に、安全・安心に使用するために必要な維持保全(予防保全・事後保全)を着実に実施する。
(1) 長寿命化の検討

今後、昭和50年代に1年に2施設以上のペースで建設した建物が一気に更新時期を迎えることから、全ての施設を建築後70年を目安に更新することは困難となる。このため、建築後70年以上、長期間使用せざるをえなくなることから、施設を安全・安心に使用し続けるための維持保全の取組が必要となる。

(2) 維持保全の計画的・効率的な実施

前期計画等に基づき、様々な取組を行ってきたが、理想とする計画周期に基づく予防保全や、事後保全となる各種修繕等が十分には行き届いていない状況にある。
また、更なる長期使用が想定される中において、施設を安全・安心に使用し続けるための予防保全・事後保全は更に重要となるため、計画的かつ効率的に実施していく必要がある。
「中長期保全計画」に基づき、計画的に予防保全改修工事の推進を行っていくとともに、建築基準法上の法定点検等における結果を予防保全に反映させていく。事後保全となる各種修繕等については、施設の維持管理を効率的に実施できる体制の構築に努めていく。

2 総量最適化・有効活用に向けた取組方針

  • 新規施設整備については、必要性を十分に精査することとし、将来の利用需要に応じた施設の有効活用や、総量の最適化を図る。
(1) 施設総量の最適化(人口減少社会に対応した施設総量)に向けての検討

目まぐるしく変化する社会情勢に的確に対応できる組織運営が求められていることから、これまで以上に業務の合理化・効率化、働きやすい職場環境の構築等を強力に推進していく。
そのうえで、本格的な人口減少社会の到来、少子高齢化の進展等、社会情勢のほか、治安情勢等の変化を踏まえた施設の必要性や規模・水準等を確認の上、施設の統合・集約化、建替、廃止等についても検討し、施設保有量の縮減及び最適化を図っていく。

(2) 施設の新設の精査及び既存施設の有効活用に向けての検討

新たなニーズに対応する場合は、既存施設の有効活用や転用について十分に精査した上で、これらができない場合は、新設、増設を検討する。また、既存施設の活用にあたっては、有効活用度等を的確に把握した上で、多機能化や転用等についても検討しながら、柔軟にニーズへの対応に努める。

(3) 本部庁舎の在り方の検討

本部本庁舎以外の本部施設(本部別館)については、柔軟な検討が可能であることから、建替及び賃貸借契約の更新時期等を捉え、集約、減築等を検討し、総量最適化・有効活用に取り組んでいく。

(4) 警察署の在り方の検討

社会情勢、治安情勢の変化に的確に対応していくため、通年において業務の合理化・効率化を図り、限られた人員で最大限の効果を発揮させるため、例年、組織及び配置定員の見直しを行っている。
特に警察署においては、地域性、特殊性を分析の上、変遷する治安情勢に敏感に対応し、より効率的かつ効果的な業務運営に努めているところであり、今後においても、管轄区域の見直し、治安情勢に応じた組織及び配置人員の最適化・再配置をはじめ、府下全域の治安情勢や人口動態を見据えた各警察署の在り方について、機能面、施設面も含めて是正・検討していく。

3 計画的な更新(建替)に向けた取組方針

  • 集中する更新時期を分散し、財政負担と事業量を平準化させながら、計画的かつ着実な更新(建替)を進める。
(1) 更新(建替)の検討

建物を使用する期間として「建築後70年以上」を目安とし、更新時期の集中を回避するとともに、警察に求められるニーズに的確に対応する観点から、建築後70年に関わらず柔軟に検討し、必要な建物について計画的に更新を進める。
また、劣化が著しい場合や物理的な狭隘の度合が著しく高い場合で、通常の維持・修繕を加えても、課題の解消、安全性や府民サービスの確保又は多様化する警察事象への対応が困難なことが見込まれる場合は、優先的に更新の検討を行っていく。
更新にあたっては、老朽化・狭隘化を主眼とするのみならず、第2の3で掲げた、今後の社会情勢・警察事象の変化に伴う新たなニーズへの対応や、警察特有の事情や特性を踏まえた必要な施設機能なども総合的に勘案し、適正規模・水準、周辺施設との配置・集約等について検討を行う。

(2) 更新(建替)の計画的な実施

更新の実施にあたっては、毎年度の財政負担の平準化と工事等執行能力を考慮した中長期的な整備計画を策定し、関係部局と協議のうえ、計画的かつ着実に必要な建替を進める。
また、複雑化する警察事象への対応やバリアフリー化、セキュリティ対策、防災対策、環境への配慮について考慮するほか、長寿命化対策として、計画の段階から、建替後の維持管理の簡便さやライフサイクルコストの検証、間仕切りの変更や用途転換しやすい構造体・内装についても想定し、様々なニーズに柔軟に対応できるよう進めていく。
さらに、更新(建替)を進めるためには、一定規模の用地を確保する必要があるが、大阪市を中心に府内は既成市街地が広範囲に広がり、未利用地が少なく、建築基準法や都市計画等に一定の制約があることから、建替え用地となるようなまとまった面積の用地の確保について、市町村などとも密接に連携し検討していく。

交番及び駐在所編

目次

第1 目的等

  1. 目的
  2. 役割
  3. 交番等の設置基準

第2 現状と課題

  1. 交番等の現状
    (1) 施設の状況
    (2) 整備等の状況
    (3) 総量最適化・有効活用への取組状況
  2. 課題
    (1) 交番等における老朽化等
    (2) 維持管理

第3 取組方針

  1. 長寿命化(長期使用)を前提とした維持保全に向けた取組方針
    (1) 長寿命化の検討
    (2) 維持保全の計画的・効率的な実施
  2. 総量最適化・有効活用に向けた取組方針
  3. 計画的な更新(建替)に向けた取組方針
    (1) 更新(建替)の検討
    (2) 更新(建替)の計画的な実施
     

第1 目的等

1 目的

本編における対象施設は、交番及び駐在所(以下「交番等」という。)であり、本計画はこれらを最適な状態で維持、管理及び運営するための整備計画である。
本計画の取組期間は令和8年度から令和17年度までの10年間とし、取組の進捗状況を毎年度検証し、おおむね3年が経過した時点で必要に応じ見直す。

2 役割

交番等では、パトロールや巡回連絡等の様々な活動を通じて、地域住民の意見・要望に応えるべく、管轄する地域の実態を把握し、その実態に即した活動を行っている。また、昼夜を分かたず常に警戒体制を保ち、様々な警察事象に即応する活動を行うことにより、地域住民の安全と安心のよりどころとなり、府民の身近な不安を解消する機能を果たしており、地域の治安を維持するために不可欠な施設である。

3 交番等の設置基準

「地域警察運営規則(昭和44年6月19日国家公安委員会規則第5号)」第15条に、交番等設置の基準が規定されている。
大阪府警察においては、この基準を基に、地域環境や治安情勢、犯罪や交通事故の発生状況、人口、世帯数のほか、地域の面積、隣接する交番等との距離等を総合的に検討し、地域の安全を確保する上で必要であると判断される所について、交番等を設置している。

地域警察運営規則(昭和44年6月19日国家公安委員会規則第5号)

第二章 交番及び駐在所
(設置)
第15条 交番又は駐在所は、昼夜の人口、世帯数、面積、行政区画及び事件又は事故の発生の状況等の治安情勢に応じ、警察署の管轄区域を分けて定める所管区ごとに置くものとする。
2 交番は原則として都市部の地域に、駐在所は原則として都市部以外の地域に設けるものとする。

第2 現状と課題

1 交番等の現状

(1) 施設の状況

交番等は、令和8年1月1日現在、624か所(交番578か所、駐在所46か所、交番には署所在地交番(本署に組み込まれている交番)1か所、警備派出所2か所を含む。)が設置されているが、建築後40年を経過している交番等は291か所、このうち50年を経過している交番等は192か所となっている。
交番等については構造体が鉄筋コンクリート造、コンクリートブロック造、鉄骨造、軽量鉄骨造、木造と様々であり、耐用年数(備考1)は構造体により異なるが、耐用年数を経過した交番等は220か所(リフォームにより長寿命化を実施した4施設は除く。)となっている。

(備考1)耐用年数は、財務省令「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」を基準とする。

  • 鉄筋コンクリート造 建築後50年
  • コンクリートブロック造 建築後41年
  • 鉄骨造 建築後38年
  • 軽量鉄骨造 建築後30年
  • 木造 建築後24年
     
(2) 整備等の状況
ア 更新の状況
(ア) 交番等の更新の考え方
  • 耐用年数経過交番のうち、施設の老朽化が著しい又は狭隘化が著しい等、交番の機能性が不十分なものについて、交番存続の必要性を検討の上、更新を実施している。
  • 公共工事等により移転の要請を受けた交番にあっては、耐用年数にかかわらず、当該事業による移転の必要性、交番存続の必要性等を検討の上、優先的に更新を実施している。
(イ) 近年の更新状況

600か所を越える交番等を計画的に更新していくためには、毎年10か所程度の更新が必要であるが、令和5年度4か所、令和6年度3か所、令和7年度5か所の更新にとどまっている。(令和8年度は4か所更新予定)

イ コスト縮減への取組状況

次の項目について検討を続け、建築コストの削減を図っている。

(ア) 交番仕様を配置人員等により細分化し、更新面積を縮減している。
(イ) その他、ガス設備の廃止、建具の削減等を実施している。

ウ 維持管理の状況

維持管理は、外壁の損壊等の不具合が発生してから補修対応を実施する、いわゆる事後保全に頼っているものとなっているため、理想とする計画周期に基づく予防保全や、事後保全となる各種修繕等が十分には行き届いていない状況にあり、施設の老朽化により外壁の剥離や落下、雨漏り、フェンスの傾き等が発生している交番等がある。

(3) 総量最適化・有効活用への取組状況
ア 交番等適正配置の検討(交番等の最適化計画)

令和4年度より、交番等の数や配置についても、警察機能が最大限に発揮できる環境を目指し、社会環境や治安情勢の変化を踏まえた検討を重ね、交番等の計画的な建替を行う一方で、必要と認められる場合は、統合、移転及び新設を進めていく「交番等の最適化計画」に着手している。
その結果、649か所あった交番等が、現在は624か所になった。

イ 交番仕様の細分化による延べ面積の削減

前述((2)イ(ア))のとおり、配置人員等により仕様を細分化し、小規模交番におけるシャワー施設の廃止等、延べ面積の削減を図っている。

ウ 駅ビル等民間施設への組込み

周辺の開発に伴い、交番の視認性、機能性等を確保した上で、駅ビル等民間施設への組込みを実施している。

2 課題

(1) 交番等における老朽化等

交番等は、24時間・365日休みなく稼働している施設であるが、多くの交番等で老朽や狭隘等の課題を抱えており、最適な施設環境とは言い難い状況である。
このため、安全性や利便性を高めるため計画的に改善していく必要がある。

ア 老朽化

交番等は、老朽化が進んでおり、特に経過年数の長い交番等にあっては、その傾向が顕著である。施設規模が小さいため、建築基準法上の法定点検の対象外となっているが、勤務員等による目視点検の結果、老朽化の主な状況として、

  • 外壁のひび割れ、浮き、剥離等
  • 建具等の腐食、発錆、塗装劣化等

が見られる。また、外壁の崩落(備考2)や屋上からの漏水等が度々発生している。
特に、昭和56年の建築基準法改正以前の旧耐震基準の施設や、木造、コンクリートブロック造等元々の耐用年数が短い構造体で、耐用年数を経過した施設については、近い将来に発生が危惧される南海トラフを震源とする東南海地震のほか、大規模風水害等の発生時には防災活動の要となるべき交番等が倒壊し、機能しなくなるおそれもあることから、更新について検討する必要性が高い。

(備考2)幸いにも人的被害の発生は無いものの、経年劣化のため出入口庇部分の崩落等、府民に重大な危害を及ぼすおそれのある損壊が発生している。

イ 狭隘化

多様化する警察事象に的確に対応するため配置人員の増加や装備資機材の増強等により、狭隘化が著しい交番(備考3)がある。

(備考3)大阪府警察において、更新時最小基準としている広さに満たない交番が64か所ある。

ウ バリアフリー化の未整備等

「大阪府福祉のまちづくり条例(平成4年10月28日大阪府条例第36号)」の施行以前に更新・新設された、来庁者利用部分のバリアフリー化(備考4)がなされていない交番等が405か所となっている。
このため、施設環境の整備に努めなければならないところ、狭隘な交番にあっては、改修等によるバリアフリー化が困難な状況にある。

(備考4)段差の解消、車いす回転スペースの確保、インターホンの設置等をいう。

(2) 維持管理

事後保全型の維持管理は、交番等の外壁や屋上等からの雨漏りが発生してからの対応となり、漏水を原因とした外壁の浮き等の蓄積により、外壁の崩落等府民に危害を及ぼす事故につながる危険性もある。
多くの建物においては、長期間使用せざるをえないことが想定されることから、府民等が安全に利用できるように、施設の点検体制の充実を図り、施設の不具合が発生する前に予防的に施設の改修を行う仕組みを構築する必要がある。併せて、施設の長寿命化を図り、維持経費の軽減・平準化、トータルコストの縮減を目指し、より計画的な予防保全・事後保全の実施に向けた取組を進めていく必要がある。

第3 取組方針

1 長寿命化(長期使用)を前提とした維持保全に向けた取組方針

  • 建物を長期に使用せざるをえないことを前提に、安全・安心に使用するために必要な維持保全(予防保全・事後保全)を着実に実施する。
(1) 長寿命化の検討

前期計画において、鉄筋コンクリート造の施設の更新時期については「建築後70年以上」を目標としているが、今後、昭和40年代に年間20施設以上のペースで建設した建物が一気に更新時期を迎えることから、建築後70年を目安に更新することが困難となることが想定される。「建築後70年以上」の長期間使用せざるをえなくなることから、更なる長期使用を前提とした取組が必要となる。

(2) 維持保全の計画的・効率的な実施

前期計画等に基づき、様々な取組を行ってきたが、理想とする計画周期に基づく予防保全や、事後保全となる各種修繕等が十分には行き届いていない状況にある。
また、更なる長期使用が想定される中において、施設を安全・安心に使用し続けるための予防保全・事後保全はさらに重要となるため、老朽化が進んだ交番を中心に必要に応じて点検を実施する等、計画的かつ効率的な維持保全の実施を検討していく。

2 総量最適化・有効活用に向けた取組方針

  • 新規施設整備については、必要性を十分に精査することとし、将来の利用需要に応じた施設の有効活用や、総量の最適化を図る。

交番等は、地域警察官の拠点として存在そのものが府民に安心感を与えることはもとより、安全センターとしての役割を果たしているところであるが、大阪府警察にあっては、前述(第2の1(3))のとおり、「交番等の最適化計画」や治安情勢等に鑑み交番等の総量最適化や有効活用を図ってきた。
今後も、狭隘解消等の環境改善のほか、警察事象の変化等新たなニーズに対する必要が生じた場合は、既存施設の有効活用、転用を検討し、これらができない場合は、新設、増設についても検討するとともに、将来的な治安情勢や人口動態の変化を踏まえた施設の減築、集約等も検討することで、総量最適化・有効活用に取り組んでいく。

3 計画的な更新(建替)に向けた取組方針

  • 集中する更新時期を分散し、事業量を平準化させながら、計画的かつ着実に必要な更新(建替)を進める。
(1) 更新(建替)の検討

建物を使用する期間として「建築後70年以上」を目安とし、更新時期の集中を回避するとともに、求められるニーズに対応する観点から、建築後70年に関わらず柔軟に検討し、必要な建物について計画的に更新を進める。
また、劣化が著しい場合や物理的な狭隘の度合いが著しく高い場合で、通常の維持・修繕を加えても、課題の解消、安全性や府民サービスの確保、多様化する警察事象への対応が困難なことが見込まれる場合は、優先的に更新の検討を行っていく。

(2) 更新(建替)の計画的な実施

更新の実施に当たっては、毎年度の財政負担、工事等執行能力や「交番等の最適化計画」を踏まえ、集中する建替時期を分散し事業量を平準化させながら、中長期的な視点を持って、計画的かつ着実に必要な建替を進めていく。

待機宿舎編

令和6年4月

大阪府警察待機宿舎整備基本計画
大阪府警察

序 計画策定の趣旨

  1. 大阪府警察待機宿舎(以下「待機宿舎」という。)の整備については、平成22年11月、民間活力の導入や既存宿舎の大規模改修等により整備費用の抑制を図ることを目的として、大阪府警察待機宿舎整備基本計画(以下「計画」という。)を策定した。
  2. 平成23年11月には、整備手法の候補を精選し、整理統廃合宿舎等の見直しを行い、計画の一部を修正した。
  3. 平成26年2月には、平成25年3月8日に「大規模警備事案発生時の非常参集要領の制定について(例規通達)」が全部改正されたことに伴う待機宿舎部隊運用の変更、財政状況の変化等により、整備戸数、整備手法等の見直しを行い、計画の一部を修正した。
  4. 平成28年9月には、待機宿舎を長期にわたり安全に使用できる取組、いわゆる長寿命化等の取組を追加した。
  5. 令和6年4月には、前計画(令和5年度末満了)を引継ぎ、長寿命化と総量最適化に取り組むため、新たな計画の策定を行うものである。

1 待機宿舎について

(1) 位置付け

待機宿舎とは、大規模災害等の発生時において、大量の警察力を迅速に動員し、初動措置を行うための体制を確立するために、警察職員を集団的に居住させる施設である。

(2) 現状

待機宿舎は、府下に世帯用宿舎5か所、1,128戸及び単身寮11か所、1,180室を保有している。
建設後50年を経過している待機宿舎は4か所あり、経過年数の長い待機宿舎では老朽化が顕著である。

2 整備戸数

これまで、大規模災害等発生時に初動措置を行う要員を確保するために必要な2,300戸(室)の整備を進めてきたが、近年の待機宿舎の老朽・狭隘化や施設需要等を踏まえて、整備戸数の最適化を目指す。
なお、整理統廃合等にあたっては、集団警察力確保の観点を維持しつつ、地理的状況や交通ルート、費用対効果等を総合的に勘案して計画する。

3 整備計画

老朽・狭隘化した待機宿舎の解消と整理統廃合を実施し、総量最適化・有効活用に取り組んでいく。

(1) 整備期間

整備期間は、令和17年度までとする。

(2) 整備手法

ア ストックの活用(長寿命化、総量最適化・有効活用)

既存宿舎は、予防保全の取組として点検・大規模改修を行い、建物の長寿命化を図り建築後70年以上の継続活用を目標とする。

イ 大規模集約化の推進

老朽・狭隘化や施設需要等を踏まえて、整理統廃合・用途変更・改修等を推進する。

ウ 再編集約による財源の確保

本計画に基づく待機宿舎の整備(撤去等)は、再編集約により廃止する宿舎の土地売却益とする。

(3) 計画内容

老朽化の著しい待機宿舎4か所、170室は、施設需要等を踏まえて用途廃止とし、その他の待機宿舎については計画的な改修を行い長寿命化と総量最適化を図っていく。

ア 改修にあたっては、建築基準法上の法定点検の活用に加え、法定点検では把握できない設備等の劣化状況について、「FM基本方針」を基に実施した劣化度調査後の「中長期保全計画」及び「修繕実施計画」を活用した「予防保全型」の維持管理を行っていくこととする。
また、計画的な改修として、建築後おおむね25年、50年を目処に、施設需要を踏まえた大規模改修の実施を検討する。
併せて、施設の長寿命化を図り、維持経費の軽減・平準化、トータルコストの縮減を図る。
イ 用途廃止する待機宿舎及びその土地については、有効活用や売却処分を進める。
(用途廃止)
中央1単身寮、西1単身寮、大正単身寮、西淀川単身寮

(4) 計画終了後の整備

都市計画、建築関連等の法改正、あるいは警察事情等の変化を勘案し、弾力的に整理統廃合を検討し、整備を行うこととする。

(5) 計画の検証・見直し

計画に基づき、待機宿舎整備を着実に推進するため、整理統廃合等の状況を検証し、必要に応じて見直しを図ることとする。

以上

改正経緯
平成22年11月 策定
平成23年11月 一部修正
平成26年2月 一部修正
平成28年9月 一部修正
令和6年4月 一部修正

交通安全施設編

目次

第1 目的等

  1. 目的
  2. 役割

第2 現状と課題

  1. 交通安全施設の現状
  2. 課題

第3 取組方針

  1. 長寿命化を前提とした維持保全に向けた取組方針
  2. 総量最適化に向けた取組方針
  3. 計画的な更新に向けた取組方針
     

第1 目的等

1 目的

本編における対象施設は、交通安全施設であり、本計画はこれらを最適な状態で維持、管理及び運営するための整備計画である。
本計画の取組期間は令和8年度から令和17年度までの10年間とし、取組の進捗状況を毎年度検証し、おおむね3年が経過した時点で必要に応じて見直す。

「交通安全施設」とは、交通の安全と円滑を図るために、都道府県(大阪府)公安委員会 が設置する信号機、道路標識、道路標示等である。

2 役割

交通規制は、交通の安全と円滑を図り、交通事故を防止する重要な手段であり、交通安全施設は、交通規制の内容を外部に表現するためには欠かせない施設であるため、平素から地域住民等より多くの設置要望が寄せられている。

第2 現状と課題

1 交通安全施設の現状

交通安全施設は、高度経済成長期に集中的に整備された道路に併せて設置されてきたものであるが、現在はその老朽化が進んでおり、耐用年数を超過した交通安全施設もある。
また、交通安全施設の種別によって耐用年数が異なるほか、設置場所の環境等により老朽化の進行状況も様々である。

主な交通安全施設のストック数

(令和6年度末時点)

分類 種別 単位 数量 備考

信号機

信号制御機

機

11,849

 

信号柱

本

51,820

鋼管柱 49,108本
コンクリート柱 2,712本

車両用信号灯器

灯

79,150

LED灯器 69,147灯
電球式灯器 10,003灯

歩行者用信号灯器

灯

68,989

LED灯器 60,870灯
電球式灯器 8,119灯

道路標識

可変式道路標識(灯火式を含む)

本

144

路上式 32,358本
路側式 155,730本

固定式道路標識(灯火式を含む)

本

187,944

道路標示

横断歩道

本

51,006

 

実線標示

キロメートル

8,094

 

図示標示

箇

242,386

 

管制端末

情報収集提供装置(光ビーコン)

基

4,517

 

車両感知器

基

9,022

 

交通情報板

基

153

 

交通監視用カメラ

台

227

 

 

信号機に関連する機器の耐用年数については、下表のとおりである。

(令和6年度末現在)

区分

箇所数等

耐用年数超過施設割合(パーセント)

耐用年数

現状

10年後

20年後

信号制御機

11,849

41

29

24

19年

信号鋼管柱

49,108

21 28 36 35年

信号コンクリート柱

2,712

86 79 0 45年

 

なお、信号柱については、設置場所の環境等によって柱の地際部における腐食等の老朽化の進行状況が異なるため、耐用年数に関係なく更新等が必要となる場合がある。

2 課題

交通安全施設は、長年にわたる量的規模の拡大等により、更新が老朽化に追いついていない状況にあり、このような交通安全施設の老朽化によって、倒壊等による道路上の危険が生じるおそれがある。

第3 取組方針

1 長寿命化を前提とした維持保全に向けた取組方針

これまでも下表の取組等により、長寿命化を推進してきたところであるが、耐用年数を超過した交通安全施設もあることから、引き続き故障、機能低下、倒壊等を未然に防止し、本来の機能を適切に維持するため、必要に応じて強度や防錆効果を高める措置を講ずるなどの取組を推進する。

信号機
  • 信号柱は溶融亜鉛メッキ仕様及び二重管仕様で建柱し、表面の腐食が進行しても即時に倒壊する可能性を低減させたほか、地際部分に防錆塗装を施し、コンクリートまたは無収縮モルタル仕上げにすることで、雨水や動物の尿による腐食の防止を強化した。
  • 電球式からLED式へ高度化することにより、1年ごとの球替えが不要になるほか、軽量化を図ることができるため、信号柱への過重負担を軽減させた。
道路標識
  • オーバー・ハング方式の道路標識柱は、溶融亜鉛メッキ仕様とし、腐食の防止を強化した。
  • 路側式の道路標識柱は、溶融亜鉛メッキ仕様に加えて、柱内へ鉄芯を挿入する仕様とし、即時に倒壊する危険を低減させた。
道路標示
  • ガラスビーズを混入することで摩耗による消失を抑え、耐久性を向上させた。
  • 溶融式の塗料を厚塗りにすることで、摩耗等への耐久性を上げ、長寿命化を図った。

また、信号制御機等の電子機器関係は、外見からは機器内部の劣化状況等の確認が困難なため、計画的な維持管理・更新と併せて、合理的かつ効率的なストック管理を検討・推進する。

2 総量最適化に向けた取組方針

将来にわたって必要な交通安全施設を整備し、適切に維持管理・更新等を行うためには、中長期視点に立ったストックの適切な管理を進めるとともにコストの合理化を図る必要がある。

信号機
  • 信号機の設置に際しては、真に必要性の高い場所を選定する。
  • 車両用信号灯器のLED化による視認性の向上に伴い、複数ある信号灯器の設置の合理化を進める。
  • 利用状況や道路交通環境の変化等により、必要性が低減した信号機の撤去を進める。
道路標識
  • 道路標識の更新について、可能なものは道路標示へ変更するほか、1本の柱へ標識板を集約するなど設置の合理化を図り、ストック削減を進める。
  • 可変式及び灯火式の道路標識については、反射式道路標識への建替えを進める。

3 計画的な更新に向けた取組方針

信号機や道路標識のほか、情報収集提供装置等の管制端末については、警察官や委託業者による保守点検を実施するなどして計画的に更新している。
下表は信号機の点検結果報告基準表であるが、交通安全施設の点検は、老朽化の度合いにより、倒壊等の危険性がない正常なものを「Aランク」、亀裂や腐食等が見受けられ、倒壊等のおそれがあるものを「Eランク」とした五段階評価で判定している。
限られた予算において、既存の交通安全施設を漫然と全て更新することは困難であるため、今後も点検結果や必要性を踏まえて適切な時期に更新を進めていく。

点検結果報告基準表(ランク区分がAランク)

項目

ランク区分

A(正常)

信号柱、感知器柱、専用柱

外観等(コン柱)

  • 異常なし

外観(鉄柱)

  • 異常なし

基礎部分(共通)

  • 異常なし

スタンド灯器

外観(ポール)

  • 異常なし

基礎部分

  • 異常なし

信号灯器

外観(鉄製)

  • 異常なし

外観(樹脂製)

  • 異常なし

外観(レンズ)

  • 異常なし

 

点検結果報告基準表(ランク区分がBランク)

項目

ランク区分

B(正常)

信号柱、感知器柱、専用柱

外観等(コン柱)

  • 外見が黒ずんで見える。
  • 亀裂や剥離は見られない。

外観(鉄柱)

  • 信号柱の溶融亜鉛メッキ被膜の光沢が無くなっているが、柱の表面に、錆などの異常は認められない。

基礎部分(共通)

ー

スタンド灯器

外観(ポール)

  • スタンド柱の溶融亜鉛メッキ被膜の光沢が無くなっているが、柱の表面に、錆などの異常は認められない。

基礎部分

  • 小さなひび割れが少し見られる。

信号灯器

外観(鉄製)

  • 電球式灯器で、異常は認められない。

外観(樹脂製)

  • 電球式灯器で、異常は認められない。

外観(レンズ)

  • レンズに少し曇りが認められる程度で、何ら問題はない。
点検結果報告基準表(ランク区分がCランク)

項目

ランク区分

C(軽度異常)

信号柱、感知器柱、専用柱

外観等(コン柱)

  • ひび割れはないが、コンクリートの表面が粗面状となるなどの劣化が見られる。
  • 小さな剥離がみられるが、鉄筋は見えていない。

外観(鉄柱)

  • 柱の表面に腐食が見られるが広範囲ではない。
  • 地際部の錆が少し見られるが、小さなものである。

基礎部分(共通)

  • 小さなひび割れが少し見られる。

スタンド灯器

外観(ポール)

  • スタンド柱に軽度の腐食があるが、揺すってもグラグラしない。

基礎部分

  • 小さなひび割れが複数箇所みられる。

信号灯器

外観(鉄製)

  • 灯箱、アーム等に腐食が見られるが、一部の範囲である。
  • 灯箱に小さなへこみが見られる。

外観(樹脂製)

  • 灯箱部分に小さなヒビが見られる。

外観(レンズ)

  • レンズに曇りがあり、視認性が少し悪い。

 

点検結果報告基準表(ランク区分がDランク)

項目

ランク区分

D(異常)

信号柱、感知器柱、専用柱

外観等(コン柱)

  • 大きな亀裂があり、鉄筋の腐食が見られる。

外観(鉄柱)

  • 腐食により、1センチメートル程度の穴が開いている。
  • 腐食による穴は開いていないものの、地際部の錆が柱の半分を占めており、打診すると穴が開く。

基礎部分(共通)

  • 大きなひび割れがあり、基礎部に隙間ができている。

スタンド灯器

外観(ポール)

  • 地際部の腐食により、スタンド柱が細くなっている。
  • 地際部の腐食により、穴が開いているが、揺すってもグラグラしない。

基礎部分

  • 大きなひび割れがあり、柱を揺すると少しグラグラする。

信号灯器

外観(鉄製)

  • 灯箱、アーム、金具等が腐食による空洞が認められる。
  • レンズ焼け等により、視認性が著しく悪くなっている。

外観(樹脂製)

  • 灯箱全体にヒビが見られる。

外観(レンズ)

  • レンズ焼け、亀裂等により、視認性が著しく悪くなっている。
点検結果報告基準表(ランク区分がEランク)

項目

ランク区分

E(異常・緊急)

信号柱、感知器柱、専用柱

外観等(コン柱)

  • 大きな亀裂があり、鉄筋の腐食が著しく、加えて、柱の傾斜が認められる。

外観(鉄柱)

  • 腐食により、3センチメートル以上の穴が開いている。
  • 1センチメートル程度の穴が複数あり、地際部の錆が柱の半分以上を占めている。

基礎部分(共通)

  • 大きなひび割れがあり、基礎部に隙間ができている。加えて柱が傾斜している。

スタンド灯器

外観(ポール)

  • 地際部の腐食により、スタンド柱に穴が開いており、揺するとグラグラする。

基礎部分

  • 大きなひび割れがあり、柱を揺すると倒れるおそれが認められる。

信号灯器

外観(鉄製)

  • 灯箱、アーム、金具等の腐食が著しく、金具部分等に穴が開いており、脱落の危険性が認められる。

外観(樹脂製)

  • 灯箱全体にヒビが見られ、フード部等に破損が見られる。

外観(レンズ)

  • レンズが破損しており、落下するおそれがある。

 

おわりに

依然として厳しい治安情勢の下、府民が安心して暮らせる「安全なまち大阪」を確立するため、組織を挙げて諸対策を推進しているところであるが、警察力の基盤強化を図る上で、警察施設を充実させることは極めて重要である。
このため、大阪府警察では、本計画をもとに、治安情勢及び社会情勢の変化に柔軟に即応しつつ、警察機能が最大限に発揮でき、多くの方々が共生できる施設環境の整備に取り組んでいく。


 

この記事に関するお問い合わせ先

大阪府警察本部総務部施設課計画第二係
電話番号 06-6943-1234(代表)
平日午前9時00分から午後5時45分(土曜日、日曜日、祝日及び年末年始を除く。)